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お礼。
夢主ちゃんのお誕生日を決めてなかった。
今決めます。6月28日で。
「最近、生活面で#名前#に頼ってばっかだよね。だから、私たちでお礼を少ししたいんだよね」
「何か、やってほしいこととかある?」
蛍は茶菓子を口に運びながら、そう私に言葉を放った。
今日は、綺麗な木漏れ日が窓から溢れていた。その景色をこの瞳で見るだけで幸せに等しいと言えるが、やってほしいこと…と、お茶を淹れる手を動かしながら、頭を悩ませていた。
私自身も、彼女たちによく分からない感情を抱いていたのだ。
「特に」
私は、蛍とパイモンのいる場所へティーポットを運びながら、そう言葉を吐いた。
「………いや、なんでもない。じゃあ、巻物を見つけて」
私はさっきの言葉を取り消し、巻物を見つけてもらうことにした。その巻物とは、数千年前に存在していたものだ。
「巻物か?」
パイモンは頭を悩ませているのか、蛍と顔を合わせていた。
その様子を見た私は、口を開いて、その巻物の詳細を話し始めた。
その話を聞いた直後、パイモンはまるで全てを悟ったみたいに、私の目をまっすぐに見て口を開いた。
「聞いたことあるぜ!英雄が居たとかそんな感じだろ?」
「そう」
パイモンの言うことは、まさしくその通りだった。その昔、魔神戦争も大荒れの時代、スメールには英雄がいた、という噂がある。
「じゃあ、明日から探しに行こうか」
蛍は何故か満足気に私に笑いかけたあと、そう言葉を発した。
--- * ---
「その巻物ってどこにあるとか知ってる?」
目の前に立つ蛍は、金色の髪を揺らして悩んでいるような姿を見せた。
まだ太陽が真上にも昇らない朝9時のこと、私たちは外へ出て私が求めている巻物について探し始めたのだ。そんな早くに始めなくてもいいのに、と私は思う。
「…………さぁ、だいぶ前のものだし」
運が悪ければ、|璃月《リーユエ》やナタに行ってしまっている可能性すらある。
「………けれど、その絵巻を書いた人が暮らしていたところは知ってる」
私は、蛍とパイモンの目を真っ直ぐと見つめた。その直後、そう言葉を発した。
そうすると、蛍は少し笑いながら
「じゃ、案内してくれる?」
と私に言葉を投げかけた。
--- * ---
私たちはアルダラビ河谷にある、ヴィマラ村へと歩いてやってきた。
少し湿度が高い、この空気が懐かしい。
この賑やかだけれど、中心地から離れれば自然の音しかこの耳には留まらない。汚染されているわけではない青緑の水は、その水たちの水面に映る何処までも広がる空の青さ、植物固有の色すらもその青緑に変えてしまう川。
私は、この地形の自然が好きだ。
その自然の中に、人工的に造られたヴィマラ村の中を蛍とパイモンを連れて私は歩いていた。
「その人はシーヤ、という名前の古い知り合い。もう居ないけど」
そして、私は蛍とパイモンに話しかけた。その人、私の知り合いについて。
「元々、家があった場所は覚えているけど、今でもそこにあるかは知らない」
私は複数本の丸太で作られた坂を登りながら、その家であった場所に着いた。
そこには、見覚えのある光景はなくて新しい光景だった。新しい家が建っていたのだ。
時間が流れれば、当然色々なものが変わってしまう。
そうだ、心では理解しているのにその景色をこの目で見たら、良くわからないものに襲われた。
まるで、大切な何かをなくしてしまったみたい。
「……………無いみたいだね」
彼女はもう居ないくせに、私が無くしたくせに、「そこに居るかも」なんて甘い偶像でここを訪ねたのが間違いだった。
何故か、この光景を見る目の目頭は熱くなり、声は言葉の末尾に近づくほど震えていた。
悲しいという感情は知っているが、少し違うような、そんな気がする。
少なくとも、私はこの感情も表情も知らない。
「お前……」
パイモンはいつもの元気がなく、まるで私に対して情けをかけているみたいな態度だった。同情をかけないでほしい。
そして、私を人間のように扱うのは辞めてほしい。
「一回、この家に入れるか聞いてみない?」
後ろから歩いてきた蛍は、優しく私の肩に手を置いた。その口角はほんの少しだけ上がっていて、眉毛は少しだけ下がっていた。慈悲を与えてくれる仏のようなそんな表情だった。
すると蛍は直ぐに動いて、トントンと優しく戸を叩いた。
胃腸炎でGW体調ゴミだったんですぅごめんなさいぃ
CASE 143の2番目サビのファンヒョンジンが悶絶するほどかんわいいのでぜひ見てみてくれ。88番の服を着た髪が長めの真ん中の人です。