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友達作り㉑みんなで仲直り大作戦!
星
バタン!と重い音を立てて玄関のドアが閉まったあと、モモちゃんの家のリビングは、まるで時間が止まったように静まり返ってしまった。散らばったカラフルな紙吹雪が、やけに寂しく見える。「私……知らなかったの。李央くんが、クラッカー苦手だなんて……」モモちゃんの目から、ポロポロと大きな涙がこぼれ落ちた。カナちゃんも、用意したプレゼントを抱きしめたまま俯いている。(このままじゃダメだ。みんなで仲良く、笑顔になりたくて始めたサプライズだったのに……!)奈々はギュッと拳を握りしめ、みんなの顔を見回した。「みんな、落ち込んでる暇はないよ! タイトル変更! 今日からは『みんなで仲直り大作戦!』だよ!」「え……仲直り……?」モモちゃんが涙を拭いながら奈々を見た。「うん。傷つけちゃうなんて思わなかったってこと、ちゃんと二人に伝えよう。音が怖かったなら、今度は絶対に音が鳴らない、世界一静かで温かいサプライズをやり直すの!」奈々の力強い言葉に、モモちゃんもカナちゃんも、ゆっくりと、でも確かにうなずいた。さっそく作戦会議を開いた私たちは、ある人にアドバイスをもらうことにした。遠くの街にいる、大切な友達――佐藤くんだ。事情を話してメッセージを送ると、すぐに佐藤くんから頼もしい返信が届いた。『あいつ、小学校のときの運動会でピストルの音が耳元で鳴ってから、大きい音がトラウマなんだよ。でも、お前らの気持ちは絶対分かってる。ビビらせて悪かったって、ストレートに謝れば大丈夫だ。応援してる』佐藤くんの言葉に、みんなの勇気が100倍になった。次の日の放課後。私たちは、あの日直の朝のように、あの秘密基地の薄暗い廊下に李央くんと空ちゃんを呼び出した。「……何? 昨日あんなことがあったのに」まだ少し警戒した様子の空ちゃんが、李央くんの前に立つようにして現れた。李央くんは気まずそうに下を向いている。「李央くん、空ちゃん。昨日は本当にごめんなさい!」奈々、モモちゃん、カナちゃんの三人は、声を合わせて深く頭を下げた。「李央くんが大きな音が苦手だって知らなくて、びっくりさせて本当にごめんね。二人の付き合った記念日を、どうしてもみんなでお祝いしたかったの」モモちゃんが、一歩前に出て一生懸命に言葉を繋いだ。「これ……もしよかったら、受け取ってほしい。今度は、絶対に音は鳴らないから」差し出したのは、みんなで手作りした大きなコルクボードだった。そこには、トランプをして大笑いしているみんなの写真や、新しく仲間になったモモちゃん、カナちゃんからの「おめでとう!」のメッセージがびっしりと詰まっていた。そして真ん中には、佐藤くんが遠くの街から送ってくれた「おめでとう! またテレビ電話しような」という直筆のメッセージカードも貼ってあった。それを見た空ちゃんが、ハッと息を呑んだ。李央くんもゆっくりと顔を上げ、コルクボードをじっと見つめている。「……これ、佐藤の字じゃん。あいつまで巻き込んだのかよ」李央くんが、ぽつりと言った。その声はもう震えていなかった。それどころか、いつもの悪戯っぽい優しい笑顔が戻っていた。「悪かったな、俺も。せっかく用意してくれたのに、大声出して逃げたりして」「李央……」空ちゃんがホッとしたように顔を緩め、それから私たちを見てクスッと笑った。「もうっ! 心配したんだからね。でも……ありがとう。このボード、すっごく嬉しい!」「大成功……だよね!?」奈々が恐る恐る聞くと、「おう、大成功だ!」と李央くんが力強く笑ってくれた。その瞬間、薄暗かった廊下に、みんなの大きな笑い声が響き渡った。クラッカーの音なんてなくても、私たちの心には、どんなお祝いの音よりも素敵な、温かい絆の音がしっかりと鳴り響いていた。