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2の刃
入り口はあんなに綺麗だったんだけどな…鬼の居る山なんてそんなもんか…
<「ッ!風の呼吸伍の型!木枯らし颪!!…フーッ」
ただでさえ瞬発力が無いんだから気をつけないと。鬼はどこから来るのか分からない。お師様も言っていたよね。
<「油断禁物。焦ったヤツから死んでいく。」
「__ギャーッ!!__」>
うん。助けには行かない。だって助けられて生きたってその後は辛い。でも…
<「放っておくとはできないよ、ね!声の方向的に東かな!」
<「大丈夫ですか!風の呼吸弐の型…爪々・科戸風!」
「あ、ありがとうございます!」>
<「いえ、礼を言われる筋合いはありません。ご武運を。」
…やっぱり感謝って言われて悪いことはないな。とりあえずまだ1日!あと6日頑張ろう。
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<「風の呼吸壱の型塵旋風・削ぎ!」
<「風の呼吸弐の型!爪々・科戸風!」
<「風の呼吸!、風の呼吸」
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飛んで七日目の早朝
あ、もう終わりか。とりあえず生き延びられた。お師様にひどい顔をさせなくてよかった。でも、一日目助けたあの人はもう…いないんだな。
「死ぬわ、死ぬ死ぬここで生き残っても結局死ぬわ、俺」>
…まぁ生き残った人にも色々いるだろう。別に咎めるつもりはない。でもうるせぇ()
「お帰りなさいませ」>
「おめでとうございます」>
「ご無事で何よりです」>
「で?俺はこれからどうすりゃいい 刀は?」>
うわ、せっかち。絶対女の子にモテないタイプの人だぁ。かわいそ。
「まずは隊服を支給させていただきます 身体の寸法を測り、その後は階級を刻ませていただきます」>
「階級は甲から癸まで十段階ございます」>
「今現在、皆様は一番下の癸でございます」>
「刀は?」>
しつこ、話が別になってたんだから察しろよ。馬鹿なのか?いや馬鹿なのか。
「本日、刀を作る鋼、『玉鋼』を選んでいただきますが、刀が出来上がるまで十日から十五日かかります」>
ふぅん…それまでは刀無しで鬼も狩らずゆっくり鍛錬してろってとこかな。まぁどんな意図でもお師様が|それ《休み》を許してくれるとは到底思えないけど…
「その前に今からみなさまに鎹鴉をつけさせていただきます」>
「鎹鴉は主に連絡用の鴉でございます」>
<「よろしくね、カラス。」
「あなたがどんなつもりであろうともアテクシはあなたとよろしくする気は微塵もありませんから。しかも私は菊よ。そんなへんてこりんな名前を付けないで!」>
連絡用…?非常食用ではなくて?食べちゃだめ?焼いたら食べれるよ??
「どうでもいいんだよ! 鴉なんて!!」>
「刀だよ刀!! 今すぐ刀よこせ!!鬼滅隊の刀! ”色変わりの刀”!!」>
うわ、この人刀の話しすぎじゃない?刀マニア?そうだとしても女の子の髪を掴むのはちょっといただけないかな。加勢しようか…
「やめろ!」>
「この子から手を離せ!!離さないなら、折る!!」>
おる…折る?…おる?脅しにしてみれば現実的すぎない?いやたしかにこの刀マニアがいけないんだけど
「ああ!? なんだテメェは! やってみろよ!」>
いや、挑発はやめた方がいいのではないのでしょうか??刀マニアさん。いや、その子すごく|真剣《マジ》な目ェしてるよ??
ゴキッ
「ぐっ、ああっ!……てめっ!」>
うわ、やった。本当にやったよ。見るからにして優しそうだし、善意なのは分かるんだけど鬼を狩るための腕を折るのはちょっと好くないのでは?? え、ちょっ、黒髪の子は止めに入ったりしないし…え、えぇ?
「お話は済みましたか?では、こちらから玉鋼を選んでくださいませ」>
え、そのまんま続けるの?えぇ?すごい既視感なんだけど?霞柱様なの?貴方、霞柱様なの??
「チッ…」>
舌・打・ち!機嫌悪い時のお師様じゃん()なんか目も似てる気がしてきた
「鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼はご自身で選ぶのです」>
「多分すぐ死にますよ、俺は……」>
まだ言うか。
<「__玉鋼…ねぇ。__」
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1600文字超!!やば…実は一話の投稿が遅れたのはこれのせいだったり…なかったり…