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待雪草.
LGBTって知ってますか?
僕は間違っているらしいのです。
僕が間違っているらしいのです。
カラダは女の子
恋愛対象も女の子
服も性別も女の子
ココロだけが男の子
「気持ち悪い」だとか
「目立ちたがるんじゃねぇよ」って。
間違ってるのはそっちじゃないんですか?
それとも、
間違っているのは僕ですか?
間違っているのは僕のカラダですか?
間違っているのは僕のココロですか?
間違っているのは僕だけですか?
いつも嫌われる僕
いつも気持ち悪がれる僕
いつもハブられる僕
いつも汚い目で見られる僕
いつも偽ってる僕
全部全部偽ってる僕
怖いから
辛いから
弱いから
苦しいから
疲れてしまうから
泣いてしまうから
死にたくなってしまうから
生きたくなくなってしまうから
沢山沢山言い訳して
死にたい気持ちが強くなって
でも
死んでなお
認められないのが怖いから
認められないのが辛いから
僕は弱いから
死ねないんだ
だから
これ以上
傷つかないために
頑張るのをやめた
我慢するのをやめた
人を信じるのをやめた
自分を信じるのをやめた
辛いって思うのをやめた
何かを感じるのをやめた
生きようとするのをやめた
全てを諦めた
そうすれば少しは生きれるかな、って
虐めも虐待もレイプも沢山沢山された
その度に、沢山沢山我慢した
ずっとそうしてきたから
最近は涙を流したり辛いって思うこともなくなった
それが良いことなのか悪いことなのかも
もうわからないけど
「生きていたい」とも「死にたい」とも
「生きたくない」とも「死にたくない」とも
思わなくなれば、すごく楽になった
誰かを愛したり
誰かに愛されたり
誰かを信じたり
誰かに信じられたり
誰かと笑ったり泣いたり
そんなことはとっくになくなって
ただ、なんとなく生きてる
生まれてきたから生きてる
死んでないから生きてる
そーゆー考え方って大事じゃない、?
だって、どんなに考えたって、誰に聞いたって、
他の答えなんて得ることができないから。
はじめは、
「死にたい」
と思っていたけど
途中から
「生きたくないだけ」
だったって気付けた。でも、
今は
全部どーでもよくなった
世界は、社会は、人々は、
なぜ、
生きることは善
死ぬことは悪
と決めつけるんでしょうか。
なぜ、
不確定な未来を信じて
今を犠牲にするんでしょうか。
なぜ、
普通じゃないモノは悪
と決めつけるんでしょうか。
そもそも、
普通ってなんですか?
なぜ、
他人のために
自分を犠牲にしなくてはいけないのでしょうか。
こんな世界が大嫌いで
こんな自分が大嫌いでしょうがない。
人が信用できなくて
自分が信用できなくて
ずっと誰にも相談なんかしてこなかったから
今更何を言われたって
きっと生きたいとは思えない
きっときちんと生きれない
でも、一人だけ、一度だけ、信じたいと思えた
その人は、僕のことを全く馬鹿にしなかった。
その人は、僕の話をずっと静かに聞いてくれた。
その人は、僕の話を最後まで聞いて、
たった一言
「頑張ったね」
って目を見て言った。
その瞬間、ずっとこらえてきたものが
一気に溢れ出てしまった。
初めて人を信じたいと思った
初めて人に感謝をした
初めて人に弱い自分を、本当の自分を見せた
初めて人の言葉で心が温まって、涙が溢れた
「辛かったね」
「頑張ったね」
「もう大丈夫」
「君は何も間違ってないよ」
「自分を曝け出していいんだよ」
その一言一言が僕の心に響いて染みていく。
僕、
辛かったんだって。
頑張れてたんだって。
もう大丈夫なんだって。
何も間違ってないんだって。
自分を曝け出していいんだって。
弱いと思ってた自分を、
いらないと思ってた自分を、
どうしようもないと思ってた自分を、
間違い続けてたと思ってた自分を、
曝け出すのは怖いと思ってた自分を、
完全に否定してくれた。
否定されるのは嫌いだったはずなのに、
否定されるのは悪いことだって思ってたはずの僕を
ちゃんと否定してくれた。
でも、僕を守ってくれた君は
僕をかばったせいで
アイツらに虐められて、
終いには階段から落とされたんだってね。
君は植物状態。
僕と同じ病院にいるのに、
病棟(科)が違うから
なかなか会えずに、
手紙だけしか送れないだ。
ちゃんとありがとうって伝えたいのに。
せっかく、やっと、初めて、君のおかげで、
"感謝"を知れたのに。
植物状態の君と、
身体の怪我が酷くてもう半年も生きられない僕。
"生きない,死ねる"じゃなくて
"生きれない"って言えたのも君のおかげなのに。
僕は、
拒食症になって、
食べてもすぐに吐いちゃって。
母親に水筒で頭殴られた時に
脳に傷がついたらしくて。
身体中の骨や内臓が傷ついてて。
ODをしてたから
薬物中毒になっちゃって。
心が明るい光を掴んだって、
身体はそれに比例はしないんだって。
そんなこと考えながら
窓から近くの地面に目をやる
真冬の雑草も無い地面の中を見ると、
一つの花が、寂しく、美しく、儚く、
花を咲かせていた。
その花の名は
「待雪草」(スノードロップ)
待雪草には僕にぴったりな花言葉がある。
花言葉は「希望」「慰め」
「恋の最初のまなざし」
そして
[I hope you die]
あなたの死を望みます
ね?
ピッタリでしょ?
手を伸ばして待雪草を刈る。
手紙を付けて君に送るんだ。
寂しいでしょう?
この待雪草のように
自分だけ無情にも生き続けるなんて。
だから一緒にいこうよ
それなら寂しくないよ
きっと幸せになれるよ
ありがとう
大好きでした
また、
川の向こうで
会おうね?
そう誓って僕は
腕に刺さった点滴と
頭上の酸素チューブを
力任せに引き抜いた
死んでもずっと愛しています_
そんな僕の最後の言葉は
ピーーー
という機械音に掻き消されてしまったみたいです___¿?
サ ヨ ウ ナ ラ
去世生亡楽
みなさんも、
もう一度、
しっかり、
LGBTについて、
ジェンダーについて、
考えてはみませんか__?