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願いを叶えた星々
どうか、どうか透明になれますように。
誰の記憶にも残らずに消してください。私の存在を。
最初からいなかったことにしてください。
どうか、お願いします。私の願いをかなえてください。
真っ暗な山の奥で一人、私は静かに祈る。空に浮かんでいるいくつものまぶしい光に向かって。
手をぎゅっと組んで、まぶしい星々を見つめる。
どうかお願いします。
私を消してください。消してください。消してください。
消して、誰の記憶にも残らないようにしてください。
星は輝いているのに、応えてくれない。
私はいまだに、ここにいる。存在してしまう。
星々の輝きが、ぼんやりと歪んできた。輝いているはずなのに、よく見えない。
私より、何億倍もきれいに輝いているのに。
やっぱり、叶えてくれないの…。
まぶしい星々には、似合わぬ願いだもんね。
叶えてくれないよね…。消えたいだなんて、そんな願い、ダメなんだよね…。
すーと頬をあたたかいものが伝っていく。伝っては消え、伝っては消え。
止まらない。
けれど、私は顔に手をあてなかった。
両手はまだぎゅうっと組んだままだ。
まるで、私の心を表しているみたいで、ますます涙があふれてきた。
『大好き!』
そう笑ってくれるあの子は、桜とともに消えた。
あの日から春が一番嫌いになった。
私が死ななかったのは、あたたかいあの子がいたから。
あたたかい笑顔があったから。私を認めてくれるあの子がいたから。
桜並木の道をあたたかい笑顔で、歩いていたあの子。今でも鮮明に思い出せるのに、もう会えない。
残ったのは、性格の悪い私だけ。
とどまることを知らない涙があふれる瞳をぎゅっと閉じた。
もう真っ暗。
そのとき、光った。たくさんのなにかが輝いた。
星…?
目をつぶっていて見えないはずの星だと、なぜかそう思った。それに先ほどより強く輝いている。
ああ…、叶えてくれるんだね。
先ほどまでとは違う、とても穏やかな気持ち。
私は静かに目を閉じた。
ありがとう、お星さま。
ありがとう。
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その日、一人の少女が消えた。
家族も、クラスメイトも、先生も、彼女を知っていた人達は、誰一人として彼女のことを覚えていなかった。
少女は、消えた。