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クローバーと花
今回は、柚木君ちの四兄弟的な感じのストーリーなので。
うん。心情ががらっと変わったりってことはないよ。
あと前置き長いけど、ごめんなさい
m(_ _;)m
シロツメクサがたくさん生えている庭。
その家には、四人の兄弟が住んでいた。親が外国に行っていて、長男の希(のぞみ)が下三人の面倒を見ていた。
希はまだ15歳。次男は信乃(しの)、13歳。三男が愛(めぐみ)、11歳で、四男、つまり末っ子が、幸(みゆき)、9歳だ。
名前の由来は、全て四つ葉のクローバーの花言葉からとっていた。母親は女のコが欲しかったらしいのだが、男のコしか生まれてこなかったため、みんな女っぽさがある名前である。
希の性格はハキハキしていて、信乃は少し冷静(?)なメガネっ子。愛は可愛らしい物が好きで、幸はいつもぽわぽわしていて家族を安らげる。
性格もはっきりと別れたものである。
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朝
「おはよー」
一番に起きるのは希。
「んふぁあ、んむぅ、おはよぉ」
次に起きるのが、意外にも幸である。
「おい、起きろ」
「もう目ぇ覚めてるってば〜」
希に起こされ、すぐ起きてくるのが愛。そして難関は…
「おいっ、起きろ…!」
ジリリリリリリリリッ
「あーうるさい、こんなにうるさいのに、なんで信乃兄は起きないんだろ…」
そう、信乃である。信乃は起こされてから起きるまでに3,4時間かかる時もある。学校では一番しっかり者なのに、寝たらすごく印象が変わる。
「信乃っ、起きろっ!」
「信乃兄!うるさいよー!」
「信乃くん…起きてえ…」
ただ、幸が呼びかけると…
ガバッ
「おはよう」
幸は、いろんな人の精神を覚醒させられる(かも?)。
「愛、幸、遅刻するぞ!ほら、信乃だって余裕あるわけじゃねえだろ?」
「「ちょっと待って〜」」
「オレ、いまメガネ拭きで忙しい。」
やや反抗期気味の信乃にため息をつきながら、希は愛と幸のランドセルを持ってきた。
「準備できた?」
「待ってね、いまうさちゃんのピンつけるから。」
「幸はねぇ、おトイレ行きたい〜…あ、軍手いる…」
「軍手!?」
「待ってオレも」
幸と愛に軍手が必要なことを知り、慌てて探し出す希。それを尻目に見ながら、信乃はメガネをかけた。
「うん、クリアークリアー…。で、軍手?オレ持ってるから、貸そうか?」
「ほんとぉ?2つ持ってるぅ?」
「昔買ってもらったのが2ペア残ってたから、大丈夫。」
信乃が幸と愛に1ペアずつ渡した。
「ありがとー」
「ありがとぉ信乃くん。」
「「ヴヴッッッッッ」」
可愛すぎる弟たちの笑顔に悶える兄二人。
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「信乃があんなに面倒見良かったなんてな」
「軍手貸しただけだろ」
相変わらず希にはそっけない態度を取る信乃。
信乃はメガネを外したらむちゃくちゃイケメンという評判。だから、女子がよく寄り付いていた。
「なんなのよあの三年」
「信乃様とお喋りなんて」
「身の程知らずも甚だしい」
悪口に耐えかねたのか、希はその場を離れようとした。すると、くいと引っ張られた。見てみると、信乃が希の袖の裾を掴んでいた。
「あんなやつら気にすんな。」
「!」
信乃、実はメガネをしていてもイケメンである。
その面でまっすぐそんなこと言われて、希は、オレはどんだけ幸せもんなんだ…と、つくづくそう思った。
いやー、信乃メインな感じでしたね(笑)