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魔法少女 月下のセレナーデ泡沫のカノン
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文化祭が無事終了した。
天璃は朔夜と2人で教室をチェックしながら心では葛藤を抱えていた。
どうしてもあの時から昨夜が宿敵なんじゃないかと言う思いが拭えない。
「あの、私たちが魔法少女やってる話なんだけど…たまに敵幹部らしいマントの男が現れるんだよね」
「…」
震える声でなんとか話し出す。
《《朔夜はそんな人じゃない》》
そんなことするはずない
たくさんの人を殺すなんてそんなこと…
「もしかして、の話だけどそれって朔夜…」
《《ねぇ、違うって言って!》》
《《なんの冗談?そんなわけないじゃんって笑ってよ!!》》
静まり返った校舎に声が消えていく。
「あーあ、 結構俺、お前の気に入ってたんだけどな、笑笑。ばれちゃった?」
「…っ!!」
「ねぇ!どう言うこと!?嘘だよね!」
朔夜の言葉を信じたくなくてたたみかける。
「別に、元々お前たちのこと調査するために転校してきたし、」
「え…じゃあ、わたしと仲良くしたのも仕事のためなの?なんで?なんで…大切な人を失わせたの……」
「いやぁ…まあ、スターシャワーのことは選抜に選ばれなかったってだけだ。俺がやったわけじゃねーのになんでキレらんなきゃならないんだよ」
「…朔夜がやったわけじゃ…」
一縷の希望を見出して安堵してしまう。
笑いかけると朔夜は飄々として答えた。
「実質的にやったわけじゃないってだけ。ボスに命じられてフツーにプロジェクトはやってたし、俺あの優しい転校生キャラも反吐が出る思いでやってた。」
「あ、もうバレちゃったし、消えるから。ばいばーい」
一度にたくさんのことが起きて理解できない。朔夜が敵なのはわかった。
でも…復讐の相手だと知っても、好きになった姿が偽りでこと俺様全開が本当だと知っても…嫌いになれない。そこまで朔夜のことが好きになってたんだとあらためて気づく。
ならもうここで《《砕け散ってやる!》》
「好きだ!!好きです!!!ずっと好きだったし朔夜のことが敵だって知ってもまだ好きだよ!!」
思い切って叫ぶとその声は異様に反響した。
朔夜が振り返り目を見開く…すると悲しそうに笑った。
「俺も……」
次は天璃が目を見開く番だった。
「…へ?」
「長く関わりすぎた。天璃と一緒にいるとただの高校生みたいだったよ。笑い合って楽しくって時間を忘れてたな。こうやってバレて嫌われて憎まれて恨まれてなんて、望んでなかった。あの時言った好きな人って天璃のことなんだ。」
「ありがとう。でも俺に幸せを望む権利なんてない。」
「そんなことない!ねぇ!じゃあもうなにもかもやめちゃおうそれで遠くに逃げよう!ただの朔夜と天璃で魔法少女なんてやめて悪の組織もやめて……」
言いながら気づいた。
私も幸せを望む権利なんてない。
こんなことしていいはずがない。
だって、大切なものを失った仲間たちは…?
音羽、琥珀…2人を裏切って私だけ復讐相手とと幸せになって使命から逃げて……
私が大切にしがたいものってなんだっけ…
急にやさしい衝撃をうけた。
朔夜に抱きかかえられていた。
「ごめんね」
「俺たちはそう言う星の下に生まれてしまったんだ」
誰かのために自分を犠牲にする星の下
小さな星の下…違う星…もっと!大きな月の下…なら…一緒になれたのかな…
静かに時間がたってふたりは離れた。
その時には天璃も朔夜も吹っ切れていた。
自分たちの信念のために。
もう日は沈み月が白銀に輝いていた。
「次会う時は敵だね」
*「「また月の下で!」」*
その姿を見つめる双眼が一つ。
記法試してみました。