公開中
第五話 王宮へやってきました
なんとか、2日連続で更新できました!
それでは本編をどうぞ〜
──転移魔法でワープした先は、王宮の中と思われる場所だった。
「ついたぞ」
「おぉ〜……」
やっぱり豪華だなぁ……王宮って場所は……。
「ここが……王宮ですか?」
サツキちゃんは、目をパチクリさせて呆然としながらそう呟く。
庶民生まれのサツキちゃんには、王宮は最も遠い場所だったのだろう。
平原に居る間に、サツキちゃんの事を色々教えてもらったのだ。
レンさんはそんなふうに目を輝かせている私達に言う。
「いいか、まず、……お前」
「あっ、はい!」
「サツキと言ったか」
「!はい、サツキと申します……!」
名乗って、綺麗なお辞儀サツキちゃん。
そっか……王子殿下には、こういう風に礼儀正しく振舞うのが普通なのか……。
そう思うと私のレンさん(第一王子)に対する態度って、もしかしなくとも不敬……?
私がそんなことを考えている間にも、レンさんとサツキちゃんの話は進んでいってたようで、
「おいヒリ」
「……あ、はい、なんでしょう」
「お前も来い」
「えっ、どこに?」
話を聞いてなかった私がぽかんとした感じで問うとレンさんは
「話聞いてたか?」
と不満顔で言った。
「……いいえ、全く……」
馬鹿正直にそう言うと長い溜息を吐いた末にレンさんは、
「とにかく……ついてこい」
そう言って、すたすたと歩きだす。
私とサツキちゃんは慌ててそれについていった。
レンさんについていき歩くこと2分くらい。
着いたのは……神々しい雰囲気を放つ部屋だった。
「入れ」
「あ……はい。おじゃまします」
「お邪魔いたします……」
レンさんに続いてポカンとしたままの私、サツキちゃんが入室。
バタン、と音を立ててドアが閉まった瞬間、ぶわっと風が吹き抜けたような感覚がした。
「……何今の?」
思わず疑問を声に出す。
「俺がこの部屋に防音結界魔法をかけた。これで、秘密話を心置きなくできる」
説明によると防音結界魔法をかけた部屋には誰も入れなくなって、誰も結界内にいる人たちの会話を聞けなくなるらしい。
……盗賊とかにうまいこと使われたらどうするのだろう?
ただでさえこの世界治安悪いんだから|……《多分》。
と思っていると私の心を読んだのかレンさんは「王家の者しか使えない魔法だ」と説明を付け加えてくれる。なんか安心した。
「本題に移るぞ」
コホンっと咳払いをしてレンさんは言う。
それに私とサツキちゃんも真剣に耳を傾けた。
「まず、以前にも言ったように、ヒリのことを秘密裏に匿いつつある程度の自由を与える。外出などをする際には俺に言ってくれ。転移魔法で送ってやるから。……で、ヒリの外出にはサツキ、お前に付き添ってもらう。庶民生まれなら下民街のこともある程度知っているだろうからな。そしてここからすぐ右隣の、少し年季の入った白色のドアの部屋がヒリの部屋だ。サツキもヒリの部屋で寝ろ。サツキ用のベッドは余っていたものを後ほど移動させるからそれを使え。食事は俺の信用できる部下がお前の部屋に持って行かせる。……何かほかに疑問があれば言え。それと、これ」
レンさんは立ち上がって私とサツキちゃんに何かを差し出す。
「これは……?」
それは腕につけれる、いくつかのボタンのついている何かだった。
「それは連絡魔道具だ。青のボタンを押すと俺に、ピンクはヒリに、緑はサツキにメッセージが送れる」
「魔道具……!?っすごいです!庶民生まれの私にはもったいないくらいの品です……!」
そう言って微笑むサツキちゃん。
……ざっくりと例えるとスマートウォッチみたいなものかな……。
「困った時に連絡しろ。ある程度は応える」
そう言ってレンさんは腕につけた私たちとおそろいの魔道具を見せてくれた。
レンさんの話が終わると私とサツキちゃんは用意された自分の部屋に向かう。
先程いた部屋の右隣には、聞いてた通り年季の入った白色のドアがあった。
「ここが私たちの部屋ね」
「そうですね」
私はドアノブに手をかける。
――ここ数日間で随分色々な出来事があったな。
なんて思いながらドアを開けると、その向こうにあったのは――…………。
……泥棒が入った後のように荒らされた、酷い有様の部屋だった。
「レンさ――――――――――ん!!!!!」
私が勢いよく、先程までいた部屋のドアを開けると、レンさんは一瞬面食らったがすぐに「何かあったのか?」と真剣な表情で聞いてくる。
「部屋が!!部屋が……泥棒に荒らされたみたいになってます!!」
私はレンさんを連れて右隣の部屋へ行く。
「……なんだこれは」
レンさんもこの状況は予想外だったようで驚いている。
「誰かが侵入したのでしょうか……?」
サツキちゃんが不安そうに問う。
「……いや」
レンさんは数秒だけ目をつぶって、口を開く。
「微かに魔力の気配がする。……泥棒ではなく」
言葉を一度区切り、静かにレンさんは言う。
「魔物が侵入したのだろう」
なんとか書き上げれました!
魔物が侵入したという不穏な展開で終わりました。
次回も読んでいただけると幸いです。