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猫の手紙屋 (第1話:鼠族と手紙屋)
朧月
「次の目的地は…」
ピンとたった灰色の耳
しなやかな灰色の尻尾
「鼠族のチィタ君か」
カイルは草で編まれた鞄に手紙をしまう
「確か鼠族は地下都市だったっけ」
体重がないかのように軽く走る
ビューと風が耳を掠めた
草原の奥で馬族が走っている
「どうやって紛れ込もうかな〜」
そう考えているうちに大木の前にやってきた
「確かここら辺に〜…ここか」
木の根元に穴がポカンと空いている
「言い訳を考えないとな…」
「まあ、なんとかなるか!」
鞄を先に穴に入れ、カイルも鞄の後から穴に入る
猫族の体の柔らかさはこう言う時に役に立つ
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どさっ
「よし…チィタはどこにいるんだ〜?」
「その前に少し目立つか…」
ローブのフードを深く被ってるとは言え先ず体格差が激し過ぎる
鼠族の視線がカイルに刺さる
「こ…こんにちは」
「……わー!他種族が入ってきたぞー!」
「門番は何やってるんだ!」
「逃げろ!食われるぞ!」
鼠族が足元は走り回る
「う…そんなに動かれたら狩りたくなるって!」
「届け物だけだから!僕もう出るから!落ち着いてって!」
「そう言って襲う気だろ!」
「もうだめだこれ…」
1話目にしてのピンチ
「しょうがないか…」
周りを見渡す
「あそこの路地裏は人が少ないし、あそこにしておくか」
鼠族を踏まないよう慎重に、でも素早く路地裏へ向かう
「よっ…」
チィタへと書かれた面を上にして手紙を置く。
その上にチーズを乗せ、急いで出口へ向かう
「おい待て!勝手に鼠族の土地に入っておいてタダで出られると思うな!」
「えぇ〜…僕さっさと出たいんだけど」
「急に入っておいてすぐに出たいだと⁈ますます怪しいな!」
「…これ、なーんだ」
「なっ…!そ、それは…希少なチーズ!い、いや、そんな誘惑には負けないぞ…」
「ヨダレ出てるけど」
「ち、違う!こ、これはお前を噛んでやりたいってだけだ!」
「そうか、じゃあチーズはいらないね」
鞄へしまおうとすると
「まて!いらないとは言ってないぞ!」
「じゃあ…」
チーズを遠くへと投げる
「チーズが!」
それを見た門兵たちはチーズが飛んでいった方へ一目散にかけて行った
「よし、今のうちに!」
門兵達がチーズを追いかけに行った隙に穴を登った
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「まさかここで持ってきたチーズが役立つとは…」
木の上に座って一息つく
下では鼠族の兵士達がカイルを探し回っているが背の低い鼠族には木の上など目に入らない
「さて、そろそろ次の配達に…」
「…どうやって降りればいいんだ…これは…」
夕日をバックに遠くで鴉族が鳴いていた
はじめまして
朧月です
上手くない作品ですが読んでくださりありがとうございました
これからもカイルをよろしくお願いします