公開中
0
私立白鳥高等学園
偏差値・進学実績・部活動実績、すべてがトップの名門高校である。
そして、風紀の厳しさと生徒・教師の規律正しさでも有名な白鳥学園。
“国内で最も模範的な学園”とまで呼ばれているのだ。
本来なら、"問題児"など呼ばれる生徒が存在するはずのない場所。
だが、絶対に関わってはいけないと言われている”異質”な存在がいるのだった。
「ッ、ぐ...」
...おそらく腹に1発入ったのだろう。
先程まで威勢よく吠えていた他校の男がその場に倒れ込む。
この瞬間、周囲が一瞬で静まり返る。
『2度と俺に近づくな。失せろ。』
そう吐き捨てて去っていく黒髪にピアスの男。
|黒崎 怜《くろさき れん》 白鳥高等学園2年
この学園内...いや、県内の高校生で彼を知らない者はいないだろう。
常に無口、鋭い眼光に威圧的な態度。そして、圧倒的な喧嘩の強さ。
教師も生徒も、誰もが恐れ、誰もが避ける存在だった。
『邪魔なんだよ。とっとと視界から消えろ。』
そう声を荒げ男を睨みつけると大急ぎでその場を後にした。
「チッ」と舌打ちが聞こえ、怜が歩き出すと生徒達は一斉に道を空ける
絶対に黒崎怜の逆鱗に触れてはならないのだ。
「目を合わせない・関わらない・怒らせない」
これがこの学園の常識なのだ。
誰もが恐れる黒崎怜__。
__ だが、
「黒崎」
怜の前に立ち、静かに名前を呼ぶ男。
その場に居た全員が一斉にその声の主へと視線を向けた。
|不破 伊織《ふわ いおり》 白鳥高等学園3年 生徒会長
この学園の頂点に立つ存在。絶対的な権限を持つ男。
容姿端麗で成績優秀、隙のないこの男はすべてにおいて完璧なのだ。
「今すぐ別館の生徒会室に来い」
この男は常識を破りあの黒崎に命令をする
普通ならありえないことなのだ。
『__...はい__』
小さく低い声で。あの黒崎が逆らうことなく返事をした。
誰にも従わないはずの男が。大人しく彼にだけは従う。
そう、あの黒崎怜が唯一逆らえない相手。
それが、生徒会長の不破伊織なのだ。