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いちわ
いぇい
今日は、苺山東高校の始業式。
校門は、イケメン6人が転入してきたと言う噂で持ちきりだ。
私の友達、美香が駆け寄ってくる。
「ねぇねぇ依織、聞いた!?」
「転入の話?」
「そうだよ~っ!!今度こそイケメンと友達に…」
美香は、イケメンと付き合いたいではなく、友達になりたい…いわゆる男友達が欲しいらしい。
「イケメンと友達って最高じゃん!!付き合うより安全だし」
「私はイケメンなんて興味ないよ、性格悪かったら嫌だし」
「えーっ、釣れなーい」
そう言いながら、クラス分けの紙を見に行く。
もちろん人が多くて、なかなか見えない。
「えっ!?」
美香が、急に大声を上げる。
「やば、依織ともイケメン6人とも同じクラスだよ!!」
「美香と一緒なんだ、良かった…」
「イケメンだよ!?!?友達になってやる…!!!」
美香が、目に炎を燃やして言う。
私は、美香と同じことに安心しつつ、まだ騒いでいる美香を引っ張っていった。
「あーっ、他の人もチェックさせろ~っ!!」
「他の人の邪魔になってるよ、どうせ自己紹介するでしょ」
「むーっ…」
美香は、不満そうに声を上げると歩き出した。
「イケメンって良いじゃん」
「そう?性格大事じゃ無い?」
「そーゆーことじゃなーい!!」
話していると、いつのまにかクラスについていた。
クラスはめちゃくちゃに騒がしい。
おそらく、もうイケメンたちが登校してきているのだろう。
美香が、元気いっぱいに扉を開けた。
「おっはよー!」
美香は、早速大声で挨拶している。
私もあいさつしつつ、教室に入った。
美香の声の大きさに、一カ所固まっている6人が振り向く。
すると、イケメンたちと目が合った。
思ったよりはイケメン…って何を考えてるんだ私!?
私は気を取り直して席についた。
席は一番後ろで、美香と隣だ。
「やばいよイケメン!笑顔爽やかすぎ」
「…そっか」
「興味持ちなよー、彼氏できないよー?」
「彼氏いらないよ別に、」
「もー、元気出して!新しいクラスなんだから元気に行こうよ!」
美香は、私の背中をばしばし叩いた。
「ぃ、ちょ、ま、いた、」
「ごめんごめん!wバシバシ」
「痛いって…!」
美香はようやく叩くのをやめる。
美香は力が強くて、運動神経が良い。
勉強は、あんまり。
私は、勉強は比較的得意。
運動は本当に無理。
「イケメン目の保養すぎ、何あれBL?」
美香が呟く。
「ちょっと、本人に聞こえたら気悪くするよ、やめといた方がいいよ」
「えー…まぁいいや、話すの楽しみ!」
美香はそう言うと準備を始めた。
私はほぅっと息をつく。
美香のことはもちろん好きだが、元気すぎると疲れないのかな…
そう考えると美香はすごいなと思った。
今はイケメンのことは気にしていなかった。
関わることは少ないと思っていた。
まさか、この後関わりまくることを知らずに___