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異変解決! 〜異次元消息異変〜 弐
伊代さんの能力で、わたしたちはみつさんのところへ来た。
花音さんが吸い込まれてゆく光景を見たとき、なかなかダメージがきつかった。でも、戦闘異変?を解決したという6人。みつさんの逆襲と考えれば納得がいく。
でも、今回は本当に「欲を操る程度の能力」で異次元に放り込むことができるのだろうか。みつさんは魔法使いではなく鬼だし…
そんな思考がぐるぐる頭を駆け走る。
「あそこにいるのがみつじゃ」
伊代さんがそう教えてくれた。
「ふぇぇえ〜?どうしたのぉ?」
「はぁ、また酔ってるのね」
また、というあたり、みつさんはいつも酔っているらしい。
「お主が起こした戦闘異変。その異変を解決した6人が異次元へ、行方不明になっておるのじゃ。お主が関係しているのか?」
「冗談じゃないなぁ。あたしは関与してないよぉ。異変の元凶が、あたしの逆襲みたいに見せかけた。それだけでしょぉ」
「ふぅん…本当?」
「そうだよ〜」
酔っているあたり、だいぶ疑わしいけど…
「んじゃ、取り敢えず、信じる方向性で。でも、見当もつかないわね」
「危険森のあたりに、そんな能力、持っている人はいないと思う」
「それか、協力者がいるか。協力者がいれば、実行犯と計画に分かれてやることができる。これは、不思議なことじゃないと思うわ。ムーンみたいに、いろんなものを操ることもできるし」
じゃあ、一体誰が?
「こんにちは」
「わ?…えぇっと…」
「座敷堂李子。由有は?」
由有さんのことを知っているんだ…
といっても、わたしはまだまだ新入りだからな。
「李子…さん…?」
「ひょっとしてだけど。あなたが草花?」
「はい」
「あの異変の時の」
あ、と思い出す。あれは申し訳ないことをしてしまった。
「すみません」
「いえ、いいの。それより、ヒントを与えとくね。彼女は異次元に放り込む能力を持っていない。並々ならぬ魔力の持ち主だから」
「え…?」
何を言ってるんだろ。
「じゃあね」
ふっと、李子さんは消えていた。