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私は私を主張する。
自分の中の「正しさ」
1人の未成年の主張。
小学校高学年の頃。
私は自分の性別に違和感を覚えた。
なんかちがうな、と思って担任に相談した。
着替える場所を変えてほしい。
プールの授業はなるべく休みたい。
列は一番後ろにしてもらいたい。
我儘にも思えるこのお願いは、自分で自分の身を守るためにしていた。
親には、内緒にしてもらいたい。
いくら嫌いでも、いくら関係が薄くても、
迷惑をかけてはいけないと思ったから。
6年生に上がる頃、プールの授業の参加は親が管理することだった。
私は親に頼み込んで休ませてもらった。
不思議そうな顔をしていたけれど、
了承してもらった。
夏休み初日。
私は親にプールを休む理由を問い詰められた。
なんで?どうして参加しないの?
水着が嫌ならラッシュガード買うよ?
私は泣き出してしまった。
本当は女子でいたくないこと、
男子にもなりたくないこと、
どちらにでもありたいこと、
性別というワードが嫌いなこと。
女子も同じも男子と同じも嫌だ。
中性でいたい。
女なのに男っぽいんだよねー、
男なのに女子力あるからさ、
ギャップでも狙ってるのか、くだらないことで自称〇〇を演じる人が大嫌いだった。
打ち明けてしまったのだ。
納得はしてないようだったけれど、この時はそれで凌げた。
中1の春。
新しい担任に性別のことを毎年のように話す。
プールの授業に参加しないと内申点が取れないことを言われた。
それでもいい。
母にも電話は届いたみたいで、
三回は受けなさい。
そう言われた。
なんとか説得をしても、
みんな我慢してる、1人だけずるいと思われる
体型のことなら気にしなくてもいいよ、普通だから。
きっと、母も私に普通であって欲しかったのだろう。
必死になって早速をしている母には申し訳ないが、私は途中で打ち切りにしてしまった。
私の中の「正しい」は
自分の苦しくない、息のしやすい環境にいること。
私だけではなく、他の人も同じで。
強要するのも、無理するのも、全部間違いだ。
私は私を主張する。
自分の中の正しさで世間の中の正しさに抗いながら。