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鳩の国 9話
城を出た4人はこんな話をする。
「おい、スター……本当によかったのかよ。あんな無茶苦茶な条件……」
「だって仕方ないじゃない!あんただったら⋯断れるわけ?!」
スターが珍しく怒鳴り声を上げる姿に、三人は言葉が出てこない。
彼女は自分の責任に押し潰されそうになっているようだ。
しばらくの沈黙が続くが、突然一人の少年がスターにぶつかる。
「!?」
指輪が少年に盗まれてしまったようだ。
4人は急いでそのイタチを追いかける。
「待ちなさい泥棒!」
「ほんとごめん!」
謝罪をするイタチだが、逃走を続ける。
ようやくディアがそのイタチの腕を掴み、指輪を奪い取る。
「警察に突き出してやる!」
「待ってディア、彼も何か事情があったのかもしれないし…」
「本当にごめん…僕は今一人で生きていかなきゃいけなくて、今日を生きるのにも必死だったんだ…」
「…わかったよ。許す。でも今度また同じようなことしたら…」
ディアが拳を握りしめる。
「あぁ、十分わかったよ…本当にごめん…」
そう言ってイタチは去って行った。
4人が光線を追って再び歩き出す。
光線の先は、高くそびえ立つ山だった。
「…この山登っていくわけ?俺はもう女王に会っただけで疲れたよ…」
「仕方ないでしょ?ほら行くよ!」
人一人通らないような険しい山道を登っていく。
ウノはもうヘトヘトだったが、対照的にロージーは軽々と登っていた。
疲れたウノが小川を見つけ、休もうとすると、あるものを発見した。
「なあ…みんな…?」
「これって…」
川は真っ赤に染まっていた。
川の上流へ急いで走ると、そこには倒れているトロイの姿があった。
「パパ…?」
「……」
王は自身の剣で自ら命を絶ったようだった。
スターはその事実が受け入れられないようだった。
「……」
「どういうこと?これからどうするの?」
「分からない!ママがいなくなって次はパパも…私はどうしたらいいの?!」
「…ねぇ…大丈夫なのウノ?」
「…ハハッ」
ロージーが心配をするが、ウノは虚な目でただ笑っていた。
すると次の瞬間、ウノがスターの顔を引っ掻く。
スターの顔からは血が出てくる。
「…っ!」
「なにしてるのウノ!?」
「……」
「…ゲホッッ」
ウノは何も言わず、スターの首を締め続ける。
スターの口から唾液がダラダラと出てくる。
ディアやロージーが必死で引き剥がそうとするが、無意味だった。
「離れろッ!」
そう言ってウノを殴ったのはさっきのイタチだった。
イタチはウノの喉に噛み付く。
するとウノはスターから離れ、走り去って行った。
スターはその場で倒れてしまった。
「……」
しばらくの沈黙が続く。
「…とりあえず、僕の家に彼女を運ぼう。」
そう言って4人は山の奥へと歩き出した。
R15にするべきだったかなぁー⋯
あと9話 鳩の国シリーズに入ってなくてごめんなさい!
豆知識
この世界のほんの一部の人は、神から与えられた魔法の力を持っているんだって