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衝撃。
入学からおよそ一ヶ月。もうそろそろクラスメイト全員とも話せるようになった。
|八木間楓《やぎまかえで》、という人物とも、楓君と呼べるような仲になってきた。
|恋愛感情《れんあいかんじょう》を持つことだけは避けようとしている。|折角《せっかく》できた《《友達》》だ。幻滅や絶交はされたくない――。
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「なーなせっ!」
八木間君――じゃなくて、楓君が僕に話しかけてきた。
「かっ楓君、!えっとどうしたんですか?」
「今週の日曜遊び行かん?」
遊び、遊び......。
「あっ遊び!?」
「あー、もしかして無理だった?」
「い、いえ!!!全然行けますっ!!」
「.....マジ?」
僕は全力で首を縦に動かす。
「良かったぁ〜....。断られたらどうしようかと......。」
「そんなに心配してたの、?」
うん、と楓君は呟く。
「ふ〜、じゃ、今週の日曜の13時に、学校の前待ち合わせで!二人で行くからね?」
二人.....!?やばいじゃんそれ、!
「わ、わかった、!あと連絡先交換してもいいでしょうか.....!」
「ん、俺も言おうとしてた。」
これメアドね、と紙を渡してきた。
「ありがとうございます!!もしなんかあったら連絡してください!」
「おけ。あとさ―――」
--- キーンコーンカーンコーン ---
「あ、授業始まっちゃう。」
「っ――、じゃ、じゃあまたあとで。」
僕はうん、と頷いた。
さっき言い掛けてたのってなんだったんだろう。あとで聞いてみよう。
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放課後。
「楓君っ!」
「あ、七瀬。どした?」
「えーっと、さっきチャイム鳴ってて言えてなかったことあったじゃないですか。それのこと聞きたくて。」
「あー、うん。あのさ......」
楓君は周りを見渡し人がいないことを確認した。
「こんなこと言うの、七瀬が初めてなんだけど、俺さ....」
--- 《《同性愛者なんだ》》 ---
楓君が――?
「えっ.....。」
頭が真っ白になった。
同時に、僕の心には何故か安心感があったのは、何故だろう―――。