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#13 おつかい大作戦
「文豪ストレイドッグスわん!」の内容です。
連載中である「英国出身の迷ヰ犬」の番外編になります。
オリキャラ注意。
英国出身の迷ヰ犬
https://tanpen.net/novel/series/dbc4b7a3-d5a6-4927-bd3f-8e75383d3519/
与謝野side
そろそろ備品の買い出しに行かないとねぇ。
何かと忙しくって、全然出かけられやしない。
「如何したモンか…」
「僕が頼まれてあげよっか!」
買い出し、と乱歩さんが現れた。
妾の悩みなんてお見通しか。
「でも良いのかい? 乱歩さんに頼むなんて」
「ちゃんと社の誰かにお使いに行くように頼んでおくよ!」
あ、乱歩さんが買い物に行ってくれるわけではないんだね。
それじゃあ、と行ってしまった乱歩さん。
「…大丈夫かねぇ」
「どうかした?」
ルイスさんが珈琲を淹れてきてくれた。
受け取った妾は乱歩さんに買い出しを頼んだことを伝える。
ちょっと心配だと言うと、ルイスさんも同意してくれた。
人によっては、聞き間違いとかで変なものを買ってきそうだ。
「まぁ、もし違ったら違ったで帰りにでも買いに行くんだけどねぇ」
「一応見守ろうか?」
少し悩んだけど、ルイスさんに行かせるわけにもいかない。
気持ちだけ受け取っておくことにした。
乱歩side
与謝野さんの買い物、誰に頼もうかな〜。
「おっ、あれは」
賢治くんが丁度いいところにいた。
買い物を頼みたいことを伝えると快く引き受けてくれる。
「与謝野さんがね、新しいかるてとはさみが欲しいんだって」
「分かりました!」
賢治side
「─あ」
しまった。
今から現場に向かわないとでした。
「お使いしてからだと間に合いませんね…」
「何かトラブルか?」
「国木田さん!」
僕は国木田さんに状況を説明する。
すると買い出しは何とかしてくれるらしい。
「何が必要なんだ?」
えーっと、何でしたっけ。
「あ、かるびとはらみが必要だそうです」
「そんなもの与謝野医師は何に使うんだ?」
「焼肉でもされるんでしょうか?」
「備品が必要なんじゃなかったのか?」
国木田side
「起きろ、この唐変木が」
相変わらず仕事をせずにダラダラと横になっている太宰。
いやまぁ、この前(#10 世界滅亡の日を参照)のように仕事をすることで隕石が降ってきても困るが…。
それとこれは別の話だ。
「ありがた〜い買い出し部隊だ。謹んで拝命されろ」
「えぇ、何買ってくればいいの?」
「与謝野医師が焼肉用のカルビとハラミをご所望だ」
何で、と珍しく太宰がツッコミを入れた。
しかし俺に聞かれても理由は分からん。
「焼肉を食べないと死ぬ患者でもいるんじゃないか?」
「そんな病気、私が罹りたいよ!」
とにかく、と太宰に伝えた俺は仕事をすることにした。
太宰side
本当、国木田くんは人使いが荒いなぁ。
其処にいた敦君に任せちゃおうっと。
「何を買ってくればいいんですか?」
「牛。一頭で良いと思う」
「お小遣いで買える範疇超えてませんか!?」
「何してるの、君達」
その時、ルイスさんが丁度やってきた。
ルイスside
「─牛?」
「ボクを揶揄ってますよね、絶対」
牛なんて絶対必要ないでしょ。
そもそも経費で下ろして良いようなものじゃないし。
まぁ、ツッコミを入れるのも面倒なので放置するけど。
「それで、与謝野さんは何がいるんだって?」
敦君が探偵社をでた後、僕は太宰君に尋ねた。
如何やらカルビとハラミらしい。
いや、絶対違うな。
与謝野さんが欲しがりそうで名前の似たものは─。
「あぁ、|診察録紙《カルテ》と鋏か」
漫画だと、敦君は本当に牛を買ってきたんですよ。
正直そんなにお金を持っていそうには見えない(失礼)
いや、だって一文なしの状態で川辺に倒れてたんですよ?