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書く習慣というアプリよりお題「神様だけが知っている」
「かみさんなんてさぁ結局、いないよな。」
友人がなにかをこじらせたみたいに言った。神様じゃなくてかみさんと呼んでいることが少し気になった。もしかしたら友人は本当に「かみさん」という名前の神様以外のものの話をしているのかもしれないと推測して、だけどそんなの聞いたことないしなあ、と思い直す。おかみさん、くらいか。強いていうのなら。しかし突然女将さんの話なんてし始めるだろうか…突然「神様なんていない」と言い出すのもおかしいが、この潤を帯びる季節ならまだそっちのほうがありえる。そもそも「おかみさんって結局いないよな。」ってなんだよ。おかしいだろ。うん、文脈的にもやっぱり「神様」だな。数秒思考して結論を出すと私は口を開いた。
「どういうこと?なに。湿っぽいね。」
自転車を押して歩く友人は私でも前でももちろん上でもなく、地面、正確にいうなら自転車のタイヤ、を眺めているように見えた。
「かみさんがいるならうちの母親は死ななかったと思うんよ。」
なにを根拠にそう言えるんだろうなと純粋に疑問が浮かんだ。だが私はそれをそのまま放つほど空気の読めない人間ではないから、口はつぐんだまま相槌だけ打った。
友人の母親が亡くなったのはずいぶん前だけど。まだ考えてるんだ。そりゃ、そういうもんなんだろう、遠い親戚ではなくて親なんだし、まあ。私は地面の石ころに目を向けた。ちょうど友人の自転車のタイヤの軌道上にある。このままいけば踏み潰される。距離はあと数歩分くらい。縮む。あと2歩。縮む。1歩。そして自転車のタイヤがそれを潰して、見えなくなった。ああ、と思った。視線をあげて私は言った。
「神様がいるのかいないのかも、結局知ってるのは、神様だけじゃない。」
友人は目を細めてそれは矛盾していると言った。
短くていいんだよみんな短いし多分書く習慣っていうアプリは長さより継続を大事にしているんだろうし。