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THE LAST WAR
20XX年5月。その日、その星から国境が消えた。
特殊大型昆虫と呼ばれる物により、人口減少と文明破壊が行われ、国々は崩壊した。残った者たちは文明の残る地域に集まり、生活していた。
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「緊急、緊急、ヤマト第八地区に特殊大型昆虫Gが発生。調虫市役所 特殊大型昆虫対策課 市営隊はGジェット株式会社私営隊と共に現場出動。」
けたましくサイレンが鳴り響き、市役所の中に緊張が走った。
「第弐型戦闘機を3機出動、隊は総力を上げて出撃させなさい。」
凛とした声が緊張を破る。司令室に一人の女性が入ってきた。
「黒尾司令!」
「早くしなさい。それと、現場の避難誘導のため、地元自衛団に連絡を。」
「ハイッ!」
「黒尾司令、Gジェット私営隊から連絡です。小型零式飛行機2機と、気孔封鎖銃を取り扱うスナイパーを派遣したそうです。」
「パイロット二人とスナイパーの名前は?」
「パイロットは私営隊隊長の豪鬼札郎と副隊長の古川純で、スナイパーは朝比奈宗一です。」
「豪鬼札郎が居るのね!今日は死者が最小限で済みそう、、、」
「黒尾司令、3機とも現場に到着し、私営隊とも無事合流しました。」
「では、これより、攻撃に入る。」
黒尾の攻撃開始の合図は現場にもしっかりと届いていた。豪鬼は目視で捉えた茶色の"ソレ"に向かって機体を傾ける。
「こちら豪鬼。目標にミサイル攻撃を開始する。」
「了」
豪鬼の機体はGの鋼のように変化した長い触覚を交わしながらミサイルを撃ち込む場所を探す。
「あった。」
殻と殻の間の隙間に狙いを定め、ミサイルを放つ。と、同時に地上から朝比奈が気孔封鎖弾を命中させた。
「アアアアアアアアアアアアアアアア」
羽根の片側がミサイルによって破壊され、Gは唸り声のようなものを発した。また、気孔がいくつか塞がった為、動きが鈍った。
「いまだっ」
地上で待機していた戦車隊はこの機会を待っていたと言わんばかりに攻撃を始めた。何台かはGによって潰されたり、投げ飛ばされ、血と油を噴き出した。
戦闘機も一機、触覚によって叩き落され爆発する。それでも隊はうごきつづける。
そして、とうとうGは人間に倒された。
「「よっしゃあああああああああっ!」」
現場は歓喜の声であふれた。
つづく。