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エアコンと初夏
生活館へようこそ。この場所には、季節や天気、音や身近な物が並んでいます。
開館記念に一作目は『エアコンと初夏』を展示しました。
「マミちゃん、暑いねー」
私は、古くからの友人に声を掛けた。彼女は、課題とにらめっこしながら私の声は傍らに置いて、あついねー、とだけ言った。教室のエアコンは調子が悪いとかで、今週の休日に修理するのだとか。
少ししか涼ませてくれない初夏の風を浴びながら、外を見ていると彼女はやっと手を止めた。
「ミキ……課題しなよ。全然進んでないじゃない」
思わぬ注意に驚きつつも、止まっていたペンを動かした。二人だけしかいない教室に響くペンの音と外の喧騒。いつもより集中していて、気づけばグラウンドではサッカー部と野球部しかいなかった。
「終わんなかった―……マミちゃん終わった?」
「うん、終わったよ。ミキはいつもそうなんだから」
マミの言葉に頬を膨らませつつ、駐輪場まで肩を並べる。
「あ、私こっちだから! また明日ー!」
他愛もない会話をしていると、ミキはバス停の方に走っていった。私はバス停がある方向に背を向けて自転車を走らせた。
初夏のはずなのに、夕方になると風が心地よくなる。風や緑に染まった桜の木からは夏のにおいが鼻をかすめる。
「昼時もこれくらい涼しいと良いのに」
首筋に汗を伝わせながら、悪態をついているうちに家に着いた。自室のエアコンをつけ、課題の続きをする。エアコンの声と風はもう夏を感じさせた。まだ夏は来ていないというのに、
いかがでしたか?
これからもどうぞ、御ひいきに。