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5〜 〜
なんやかんやでおくれました
すみません(土下座)
私は、とにかく走った。
走って走って走った。いつのまにか、手を引いて連れてきた羽田さん以外はだれも周りに居なくなっていた。
悲鳴も足音も、話し声も、何も聞こえない。
羽田さんは、さっきの出来事…天井から死体が降ってきた衝撃で、震えながら肩で息をしている。
(あれは……ここで死んだ……人間……)
…現実感が湧かないが、それでも、覚えていること。
それは、一階で猫の死体を見に行ったときの何倍もの濃度の、『死の香り』だ。
あの一瞬。私は、あの首吊り死体に引き込まれるような…なんとも言えない不気味なものを感じた。
もしかしたら、爽屋の普段言う『嫌な予感』とは、こう言うものなのだろうか。
(いやいや、そんなこと)
これ以上考えると恐怖でおかしくなってしまいそうで、ぶんぶんと頭を振り、すっきりさせる。そして、腰を抜かしている羽田さんに、手を貸した。
「羽田さん、立てる…?」
「………」
「、え?」
羽田さんが何かを呟いた。聞き取れず、私は聞き返す。
「愛梨って、呼ん…で。
それと、大丈夫だよ………
その、引っ張って来てくれて、ありがとう。本当に…『あれ』を見た時から、怖くって、力が抜けちゃってっ……怖い………」
そう言って、羽田さん…愛梨は、俯いてしまった。
それでも、私の手をしっかり掴んでなんとか立ち上がり、私と顔を合わせて、少しだけ笑う。
「玲はすごいね!」
「そう…なのかな?」
確かに、冷静だ、とは何回も言われたことがある。
しかし、それを褒められたことは、あまりなかった。
そもそも、冷静な反面全てに対するリアクションが薄いのだ。正直愛梨にとって、自分は苦手なタイプなのではないかと思っていたが。
…案外、そんなことはないのかもしれない。
(少しだけ、愛梨の事がわかってきた)
---
窓の外を見ると、さっきよりも木々が下の方に見える。
どうやら、3階まで上がってきてしまったらしい。見れば、隣のドアは、303号室。
3階の部屋のドアは、不思議な事に全て空いていた。
そして、ほかにも気になる事が一つ。
「誰も……いないね」
「確かに…みんな下に降りて行っちゃったのかな?」
辺りが静まり返りすぎているのだ。いくらこの山荘が広いとはいえ、こんな事があるのだろうか。
きょときょとと辺りを見る羽田さんに、とりあえず私は提案する。
「一旦降りよう。で、みんなと合流しよう。」
「…わかった。」
そして、私達は、どちらからともなく手を繋いで、階段へと歩き始めた。
その時
きい、
そんな、ドアの軋む音が後ろから聞こえて、私達は、凍りついた。
しかし、次の一言で、解凍される。
「え、ちょ、誰〜!?
うそ、ここ人いるの?」
見れば、後ろにいたのは、セミロングの髪にだぼっとしたジャージを着た…
いかにも普通の女子高生といった感じの少女。
いかにも、普通だった。ある一点を除いて。
彼女の手には、硬く結ばれて一つの輪が作られている…所謂、『首吊りロープ』が握られていたのだ。
メインキャラがようやく出揃いました。
あの子…ロープ持ってる子(仮称)もメインの一人です!
そして、ちょっとだけ…進みましたね…
とはいえ、毎回千文字くらいはキープしてますし!
珍しく、深夜投稿じゃないんです。すごない?(自慢)
数日空いてごめんなさい…「ねこさま」書いたとはいえ…
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
よければ感想、展開予想も、待ってますー(調子乗んな)
ばいびる〜