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記憶7
どうやら、この先にも道が続いているらしい。
電気はついてなく、真っ暗なので壁に手を当てながら進むことにした。
しばらく歩いていくと、少し開けた場所に着いた。ここは電気がついていた。それでもなぜか、薄暗いような気がした。
殺風景な部屋だった。部屋には、銀色のドアが2つと、下へ続く階段が並んでいた。
私は、戸惑いもなく、階段を降りた。明らかにこっちの方が不気味そうで怖かったけど、好奇心の方が恐怖心に勝ってしまったのだ。
私の両手を広げたくらいの幅の階段には、私の足音が鳴り響いた。
震える手と足を誤魔化すように、手すりをしっかりと握った。深く息を吸いながらも、階段を降りていった。
ようやく降りてきた。見た感じ、長い廊下が続いているようだ。
しばらく歩くと、そこにはドアが一つあった。さっきのドアより頑丈そう。
どうやらこれもパスワードを入れないといけないらしい。面倒くさいな。
私は辺りを見渡したが、それらしきものはない。
謎解きとかでもなさそうだ。私はとりあえず適当に数字を入れた。
何度も繰り返した。どのくらい時間が経ったかもわからない。
パスワードは、「2914」だった。パスワードを当てた喜びと疲れが一気にきた。
ドアが開き、中に入って行くと、真っ暗な空間が広がっていた。
「……!」
私が足を踏み出した瞬間、電気がついた。血がこびりついたような壁や床、天井が視界の中へと流れてきた。
一体ここで、なにが起きたんだろう。
私が部屋から出ようと振り返ると、いつの間にかドアが閉まっていた。
「あーあー、マイクテスト。聞こえますか。」
声が聞こえてきた。多分機械音声だ。どうやら天井にはスピーカーがついているっぽい。血をかぶっているせいか、気が付かなかった。
「あ、聞こえているようでよかったです。」
また喋った…。監視カメラでもついているのだろうか?
「よくここまで辿り着けましたね。これで3人目です。そんなあなたには、ゲームをしてもらいましょう。」
「…ゲーム、?」
「そうです。ここは私が主催するゲームの会場。辿り着いたからには、参加してもらわないと。」
機械音声だからか、なんだか冷たく感じる。だけど、耳の奥まで残るような印象的な喋り方だった。
「…それで、そのゲームってなに?」
私は声を張り上げて言った。部屋全体に響くように。
「私は人間がどのように考え、どのような行動をとるのかなどに興味があります。あなたにはこれから私が出す問題に答えてもらいましょう。もちろん、答えなかった場合はゲームオーバーです。簡単でしょう?」
「ゲームオーバー…って…。」
「それでは楽しんで、そして、たくさん絶望してください、ね?」