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第一話 噂
テレビのアナウンサー「先日、秋八夜山に登山に行った青山八狐さん、二十八歳の行方が分からなくなってます。お見かけの方はお近くの交番まで。」
八夜 舞香はテレビの電源を切る。
そして、妹の真美の方を見た。
舞香「また、秋八夜山で行方不明者がでたらしいよ!やっぱり、化け物が出るって噂は本当なのかな!」
真美「本当なんじゃない?」
舞香「ねぇ、今、夏休みでしょ……?」
真美「そうだけど…?」
舞香「だからさ!秋八夜山を一緒に調査しようよ!」
真美「やだ。」
即答。
舞香「良し!今から行くぞ!」
真美「人の話聞いてる?」
舞香は駄々をこねる真美の手を引いて秋八夜山に向かった。
舞香「ね、ねぇ、こんなのあった……?」
真美「う、ううん……。」
舞香と真美の前には真っ赤な鳥居があった。
塗りたてなのかペンキがしたたり落ちている。
触ってみると、ベトッと舞香の手にまとわりついた。
生暖かい。
それが、血だと気づくにはそう時間はかからなかった。
舞香「なに、これ……。」
舞香はそれでも、震える足で鳥居をくぐった。
舞香がこんなに意地をはるのには理由があった。
幼なじみの敬斗がこの山で行方不明になったからだ。
うん。終わり方の後味悪……。