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融けない雪像
僕のこれは「雪だるま」なんて生温いもんじゃない。雪像、芸術品なのだ。
1年のほとんどを人と同じように過ごして、雪景色が広がるころに山奥の小屋に越す。そして、ひと冬を雪像作りに費やした。
孤独で、充実した日々だった。
ある年、僕の雪像に手を触れる、不躾な女がいた。
「手を放せ! 融けてしまうだろう⁉」
僕は彼女の手を雪像から引きはがした――その手は、氷のように冷たかった。
驚いていると、女は言った。
「あたし、雪女なんだけど……あなたの作品作り、手伝うことはできるかしら?」
作品。
僕の雪像を誰かが「作品」と呼んでくれたのは、初めてだった。
ふと胸の奥が温かくなるのを感じた。
未完すぎる。