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女嫌いな4人兄弟と男嫌いな私
百合
父親に連れられてやってきたのは、少し大きめの一軒家。リビングの扉を開けると、そこには端正な顔立ちをした5人の男の子たちが、どこか冷ややかで、警戒するような視線をこちらに向けて整列していました
「みんな、急に集まってもらってすまない。紹介するよ。こちらが今日からお母さんになる人だ。そして、こっちがその娘の……百合(ゆり)くんだ。今日からみんなの妹になるから、仲良くしてやってくれな」
父親が笑顔でそう言うと、五人兄弟の長男、中学3年生の蒼空(そら)が、鋭い目つきのままフッと鼻で笑いました
「……ハッ、お母さんね。おいおい、親父。勝手に再婚話進めて、連れてきたのが『女』かよ。最悪だな」
蒼空の言葉を皮切りに、リビングの空気がピリッと張り詰めます。中学2年生で学校でモテモテの陸(りく)は、腕を組んだままあなたを冷たく見下ろし、中学1年生の蓮(れん)、大喜(だいき)、そしてとにかく可愛いすずも、それぞれ複雑な表情であなたを凝視しています
「ねぇ、お父さん……なんでまた再婚したの?」
百合が萌え袖の服をきゅっと握りしめ、消え入りそうな声で父親に問いかけると、リビングの空気が一瞬だけ固まりました
「百合……。ごめんな、急に驚かせて。でも、お前にも新しいお母さんがいた方がいいと思ったし、ここのみんなとも手を取り合って、これからは温かい家庭を……」
父親が必死に弁解しようとしたその時、中学2年生の陸(りく)が、冷ややかな笑みを浮かべて一歩前に踏み出しました。学校で女子から絶大な人気を誇るその端正な顔には、明確な拒絶の色が浮かんでいます
「へえ、そっちも大歓迎ってわけじゃなさそうだ。おい、親父。温かい家庭だって? 笑わせんなよ。こんな『女』たちと家族になるなんて、こっちのセリフだよ。学校の女子だけでうんざりなのに、家の中にまで女が増えるなんて吐き気がする」
陸のトゲのある言葉に、中学1年生の蓮(れん)が眼鏡のブリッジを指で押し上げながら、冷静ですが冷淡な声を重ねます
「陸兄の言う通りです。統計的にも、急な環境の変化は学業や生活の規律を乱すだけです。お父さん、僕たちに事前の相談がなかったのはあまりにも不条理ですよ。……特に、その百合さん、でしたっけ? 睨むような目でこっちを見ないでいただけますか」
五人兄弟からの冷たい言葉の洗礼が、百合へと容赦なく浴びせられます――
「お母さんが出来るのは嬉しいけど、男もなんで付いてくるのよ。言われなくても面と合わせては見ないわよ」
父親の後ろで萌え袖をぎゅっと握りしめながら、百合は嫌悪感を隠せない様子で、ぽつりと、しかしはっきりと拒絶の言葉を口にしました
「ゆ、百合……! 兄弟たちに向かってそんな言い方は……!」
父親が慌てて割って入ろうとしますが、百合の「男もなんで付いてくるのよ」という言葉に、兄弟たちの空気がさらに険しく尖ります
すると、中学1年生の大喜(だいき)が、いつもは先生や生徒から慕われているはずのイケメンな顔を歪め、不快そうに舌打ちをしました
「は? なんだよその言い方。こっちがついてきたんじゃなくて、お前らが俺たちの家に転がり込んできたんだろ? 男が大嫌いって顔に書いてあるぞ。調子に乗んなよ」
さらに、五人兄弟の中で一番年下で「とにかく可愛い」と評判のすず(中学1年生)が、大きな目を潤ませながら、けれどその口からは容赦のないトゲのある言葉を放ちます
「そうだよ……! すず、こんな生意気な女の人が妹になるなんて絶対イヤ! お父さん、なんでこんな女の人たち連れてきたの? 早く追い出してよ……!」
すずはぷいっと横を向き、完全に百合のことを拒絶する態度をとりました。長男の蒼空(そら)は、腕を組んだまま冷めた目であなたを見下ろしています
1話完
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