公開中
茶番
往古来今、この世では多様な茶番が繰り広げられている。
華々しい道を歩む者も居れば、辛く苦しい道を歩む者も居る。
例えば、友への憎悪を激しく抱いていた者は、今は友の側で抱えていた憎悪を捨て、笑っている。
それに反し、想い人への想いがライバルにより砕かれ、行き場のなくなってしまった想いだけを抱え続ける者も居る。
それらの話は、聞いた者に多少の爪痕は残したことだろう。
善であろうとすればするほど、周りは離れていく。悪であろうとすればするほど、周りが善へと押し進めてくる。その繰り返しが、無限に続くだけ。なら、我々はどこを向いて歩けばいいのだ?
それと同様、ハッピーエンドに見えたとしてもバッドエンドに見えたとしても、それが逆転しうることはあり得ないことではない。
目の前で誰かが倒れたとしても、それを助ける者はそうそう居ないだろう。皆、目ではなくスマホを向けるだけ。普段「人を助けられる人間になりなさい」と言ったその人さえもその場から逃げる。
この世は矛盾に溢れている。この文字列も、あの文字列も、あの人もこの人も全部矛盾だらけだ。
矛盾だらけの不完全な世界に、美しく纏められた物は不釣り合いだ。だからこそ、人々は美しいものに集まる。
皆目を背ける、汚い現実から。薄気味汚れたこの世界から。それは
この文の様に、世界は一つの大きく歪な茶番だからだ。