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星が煌めく夜に
自主企画用です〜
星が煌めく、夜になったら。
君に会いにいく。
私はその言葉を信じて待っている。
大好きな、あのひとを。
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私が住んでいた街は、山が沢山あって、星が綺麗に見える場所だった。
私は友達がいなくて根暗だったから、いつも夜は家を抜け出して星を眺めていた。
星を見ていると、なんだか心が洗われる感じがするから。
だから私は、夜の一人時間が大好きだった。
大好きだったのに…………
ある日、いつもどおりに家を抜け出し、山に行ったら。
知らない人がいた。
『透明』を彷彿とさせるひとだった。
男の子だった。
途端に陰キャ感が出てしまい、私は後退りしながら逃げ出そうとした。
その時だった。
「逃げなくてもいいよ。」
綺麗な綺麗な、星が転がるような声だった。
「ぇ……ぁ…」
こっちを向いた人は、目が|藍色《・・》だった。
いや、どちらかというとラピスラズリみたいな色。
すごく綺麗で
美しかった
夜の暗さだと分かりにくいけど、確かに輝きを放っていた。
「わぁ…きれいな目…」
「ありがとう…君も綺麗だよ。」
そう……私も目の色が他とは違う、蒼色だった。
この色のせいでいじめられてきた。
だから、色が目立たない夜が好きだった。
「この目…嫌いなの。変な色。」
「僕も嫌いなんだ。夜は色が目立たないから好き。」
「わ…私も!」
見事に理由まで同じ。
すぐに意気投合して、毎晩会うようになった。
それが、2ヶ月ぐらい続いたころだったろうか。
君が、好きになっていた。
もともと叶わない恋だってわかってる。
だけど、好きでいたかった。
でも。
あれから4ヶ月後。
君は、いなくなった。
いつものように山に来た私を嘲笑うように、山には冷たい風が吹いていた。
置き手紙があった。
『星が煌めく夜になったら、君に会いにいく』
名前も知らない、男の子。
じわっと私の目には涙が浮かんで、ぼたりと地面に落ちた。
「嫌だよ…なんで、なんで……」
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あれから3年。
まだ君は表れてくれてないね。
でも待ってるから。
だから私に、会いに来てね。
夜というより星になってしまった(汗)