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三日目の朝・2(ネタバレ)
監督生(妖狐)
『オルトが人狼か狂人かのどちらかで確定したのは、僕たちとエースとエペル視点だけじゃなくて、ツノ太郎視点も、になったね』
デュース(妖狐)
『それは、ええと……僕たちにとってはいいことではないな』
監督生(妖狐)
『どうしてそう思ったの?』
デュース(妖狐)
『僕たちはウソつきのオルトに占われて、村人判定を出されて……疑われるから……だと思ったが、合ってるか?』
監督生(妖狐)
『合ってるよ。エースとエペルに僕たちを占うようにツノ太郎が言うか、オルトに直前に占われて悪目立ちしたせいで処刑されるか、どちらかをされる可能性はあるね』
デュース(妖狐)
『……まずくないか?』
監督生(妖狐)
『まずいかも。でも下手に反論したら余計に目立つし、様子見でいこう』
デュース(妖狐)
『でもこのままだとエースに好き放題されてしまう! そんなのって……!』
---
エペル(占い師)
「納得いがねえ!!」
オルト(狂人)
「マレウス・ドラコニアさんが村人陣営だって確定してないのに、エース・トラッポラさんが本物の占い師だなんて、決めつけるのはよくないよ!」
ヴィル(村人)
「そうね。あんなやり方で場を動かそうだなんて、気に食わない。……だからアタシも動かしてやるわ」
マレウス(村人)
「……何をするつもりだ?」
ヴィル(村人)
「アンタたち! アタシにも宣言なさい! 『自分は村人陣営だ』と!」
ジャック(狩人)
「やり返す気か!?」
ヴィル(村人)
「サンプルは多いほうがいいでしょう? それとも……アタシじゃ不満かしら?」
ルーク(霊媒師)
「ああ……! 懸念のすべてに立ち向かう、気高き姿勢! 模倣をすることで、そのすべてを上回り、屈服させようとする、絶対的な女王の風格! ボーテ!! 素晴らしいよ、ヴィル! 標的を射止めんとする、猛毒の精神に敬意を表して、宣言しよう! 私は村人だとね!」
ヴィル(村人)
「アンタが村人陣営なのは知ってるわよ。次! 言いなさい!」
リリア(人狼)
「面白いことになってきたのう! わしは村人じゃあ!」
マレウス(村人)
「僕もか? 答えてやろう。村人だ」
エペル(占い師)
「僕が先に言う! 村人です!」
監督生(妖狐)
「はい! 村人です!」
デュース(妖狐)
「そうだ! 僕たちは村人だ!」
エース(人狼)
「オレも言わないとね。村人だよ!」
セベク(村人)
「若様と対立する勇気を評して、特別に答えてやろう! 僕は村人だ!!」
オルト(狂人)
「ウソつきって思われっぱなしは嫌だ! 僕は村人だよ!」
ジャック(狩人)
「村人です」
ヴィル(村人)
「……アンタたち、よくやってくれたわ。おかげでアタシも、ウソつきを一人、見つけられた」
オルト(狂人)
「僕じゃないよね……?」
ヴィル(村人)
「安心なさい。アンタはウソをついてなかった。ウソつきは……新ジャガ1号!! アンタよ!」
エース(人狼)
「……えっ!? オレ!?」
セベク(村人)
「ど、どういうことだ!? エースは本物の占い師だろう!?」
ヴィル(村人)
「おそらくマレウスもウソをついてたのよ。それか新ジャガ1号のウソを見逃したのかしら? どちらにせよ、こんなウソつきジャガイモの言うことを信じようとしたなんて、信用がガタ落ちだわ」
リリア(人狼)
「ちょいと待っとくれ! エースのウソをうっかり見逃したのなら、マレウス自身はウソをついとるわけではないからまだよいが……わざと見逃したとなれば、マレウスがウソつきになって……占い師以外のウソつきは、人狼か妖狐しかおらんぞ!?」
ルーク(霊媒師)
「竜の君……まさかキミが……」
マレウス(村人)
「……」
セベク(村人)
「若様が、人狼か妖狐だと!? ありえん!! ヴィル先輩はウソをついている!! ヴィル先輩が人狼か妖狐だ!!」
オルト(狂人)
「僕はヴィル・シェーンハイトさんを信じるよ! 僕の味方になってくれたからね!」
ヴィル(村人)
「ええ。新ジャガ1号よりも、この引きこもり産の小ジャガのほうが、本物の占い師だと思えるわ」
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デュース(妖狐)
『オルトはウソつきなんだがな……シェーンハイト先輩は見破れなかったな』
監督生(妖狐)
『超能力者じゃないからね。そういうときもある。あとは人狼仲間だから、かばったのかもしれない』
デュース(妖狐)
『シェーンハイト先輩にも注意したほうがいいな』
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エペル(占い師)
「待ってください! マレウスサンにとってはオルトクンが怪しくて、ヴィルサンにとってはエースクンが怪しいなら、その二人の占ってきた結果も怪しくなりませんか!? 二日目で二人そろってケイトサンが人狼だって判定したのは、人狼の身内切りに選ばれたケイトサンと、狂人が狙ってたケイトサンで、たまたま重なっただけって考えれば、僕が本物の占い師ってことになりませんか!?」
ジャック(狩人)
「お……おお! 筋は通ってるな」
エペル(占い師)
「ジャッククンは僕を信じてくれる!?」
ジャック(狩人)
「そうだな……俺が妖狐じゃないと言ってくれたのは、いまのところお前だけだ。本物の占い師だと確定はしてねえから盲信はしねえが、信じるぜ!」
エペル(占い師)
「ありがどう〜〜〜〜っ!!」
ヴィル(村人)
「……そういえば小ジャガは二日目にアタシを占ってたわね」
エペル(占い師)
「は……はい! 村人判定が出ました! ヴィルサンも僕を信じてくれるんですか!?」
ヴィル(村人)
「なわけないでしょ。アンタも信じたら、本物の占い師が二人いることになるじゃない。破綻するわ」
エペル(占い師)
「そんなあ……」
ジャック(狩人)
「とりあえず村人判定を出すのは、占い師を騙るやつがよくやることだ。それだけじゃ信用されねえよ」
エペル(占い師)
「どうやったら味方を増やせるのかな……」
リリア(人狼)
「地道に信用を積み重ねていくしかないじゃろうな。ちなみにわしは中立でいくぞ。まだわからんことが多いからのう」
ルーク(霊媒師)
「本音を言うとヴィルのところにいきたいけれど、私も中立でいこう。進行役が特定の者に肩入れしてはいけないからね」
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監督生(妖狐)
『展開が早いねー』
デュース(妖狐)
『いったいどういう状況になってるんだ!?』
監督生(妖狐)
『四つの派閥ができた』
デュース(妖狐)
『四つ!?』
監督生(妖狐)
『エースを信じるツノ太郎とセベクで一つめ。オルトを信じるヴィル先輩で二つめ。エペルを信じるジャックで三つめ。どれも信じないリリア先輩とルーク先輩で四つめ。人数的にエース派のほうが有利っぽい?』
デュース(妖狐)
『あいつ派のほうが多いとかおかしいだろ、絶対!!』
監督生(妖狐)
『セベクはツノ太郎についていってるだけだから、厳密にはエースを信じてはいないね』
デュース(妖狐)
『エースを信じてはいない……そうだ。信じては、いないんだ……』
監督生(妖狐)
『デュース?』
デュース(妖狐)
『やってみたいことがある。ここから先は……僕に任せてほしい。うまくいけば、今回の処刑先を操れるかもしれない』
監督生(妖狐)
『……わかった』
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デュース(妖狐)
「提案があります!」
エース(人狼)
「うおっ! ビックリした。どうしたんだよ、デュース。神妙な顔してさ。つーかお前らもオレの味方になってくれよ」
デュース(妖狐)
「いや、僕たちは中立でいく。それで、提案なんですが、みなさんセベクに投票してください!」
セベク(村人)
「な……なんだと!?」
マレウス(村人)
「理由は」
デュース(妖狐)
「そ、それは……」
監督生(妖狐)
「がんばれ、デュース!」
デュース(妖狐)
「……見たところ、本人ふくめて、エース派が三人。オルト派が二人。エペル派が二人。中立派が僕たちもふくめて三人。中立派が多いのは、公平な見方ができて、いいことだけど……えー……他の派は、エース派が多くて、かたよっています」
リリア(人狼)
「うんうん。確かにそうじゃな」
デュース(妖狐)
「それで……エース派の中から一人、減らしたほうが、バランスが取れて、いいと思います」
エース(人狼)
「……え? それだけ?」
デュース(妖狐)
「ああ」
エース(人狼)
「おい待てよ! それオレが一方的に損するじゃねえか!! 反対だ、反対!」
デュース(妖狐)
「反対? できるのか? お前に?」
エース(人狼)
「はあ!?」
デュース(妖狐)
「だってお前、言ってたじゃないか! 『リアル狂人のセベクを処刑したい』って!」
マレウス(村人)
「……」
セベク(村人)
「……」
エース(人狼)
「……あっ」
エペル(占い師)
「言っでた! 言ってたよ!」
セベク(村人)
「そうだ貴様!! 言っていたではないか! 僕が邪魔だと!!」
エース(人狼)
「いっ……たけど! 言ったけどさ! お前がリアル狂人になんなきゃいいだけじゃん!」
セベク(村人)
「僕は若様についていく! それは変わらんぞ!」
エース(人狼)
「んじゃあオレの味方しろよ! 先輩がオレの味方してくれてるんだからさあ!」
マレウス(村人)
「味方にはなるが、盲信はしないぞ。占いが破綻したら、僕はトラッポラを切り捨てて、フェルミエを本物の占い師とする」
エース(人狼)
「そうだけどさあ〜〜!!」
ヴィル(村人)
「アタシはキュウリ投票に賛成よ。ライバルが減るもの」
ジャック(狩人)
「たぶんエース派と中立派以外は、みんなセベクに投票するだろうな。提案したデュースと監督生も投票したら、俺、エペル、オルト、ヴィル先輩で、五票。半数はいくな」
リリア(人狼)
「公平な見方をするのなら、パワーバランスは大切じゃ。セベクには悪いが、わしも投票するぞ」
ルーク(霊媒師)
「私もムシュー・クロコダイルに投票しよう。もちろんパワーバランスもあるが……別の理由もある」
マレウス(村人)
「聞こう」
ルーク(霊媒師)
「彼が処刑されれば、翌日の朝に、彼が村人か人狼かわかるだろう? もし人狼なら、彼を占ったムシュー・ハートがウソつきだと証明できる。村人陣営を勝利に導く、大きな翼になるはずさ!」
マレウス(村人)
「いい案だ。僕も乗ってやろう」
エース(人狼)
「えー……オレそんなに信用されてないの?」
マレウス(村人)
「信じるために、疑うだけだ」
エース(人狼)
「はあ……もういいや。こうなったらとことん疑ってください。何をされたって、オレが本物の占い師なのは変わらないんで!」
ルーク(霊媒師)
「投票先は決まったね。次は占い先を決めておこうか」
オルト(狂人)
「いつものように、妖狐に見える人たちを占ったほうがいいよね!」
エース(人狼)
「また占い師以外ね。オッケー」
エペル(占い師)
「僕はもう決めてるよ」
ルーク(霊媒師)
「それでは最後に、ムシュー・クロコダイル。遺言をどうぞ」
セベク(村人)
「若様!! リリア様!! 僕は貴方様がたを信じております! どうか……どうか!! 村人陣営を勝利にお導きください!!」
マレウス(村人)
「ああ。導いてやろう」
リリア(人狼)
「うむ! 胸を張って、逝ってこい!」
セベク(村人)
「はっ!!」
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──話し合い終了。投票に入ります。
──投票終了。投票結果発表。
デュース&監督生→セベク
エース→ デュース&監督生
ジャック→ セベク
エペル→ セベク
オルト→ セベク
セベク→ オルト
ヴィル→ セベク
ルーク→ セベク
マレウス→ セベク
リリア→ セベク
セベク 八票
デュース&監督生 一票
オルト 一票
──セベク・ジグボルトを処刑します。
──三日目の朝が終了しました。