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死神と悪夢 8話
オリキャラ募集の子たちを早速活用しています。本当に扱いやすい良いキャラで…
「西宮くん」
平和な空間に溶け込まれながら、先輩の声が聞こえる。それをやんわりと聞いていた。
「次の任務のことなんだけどさ、」
やんわりとした言葉の中、任務…という、今一番聞きたくない言葉を、この耳はしっかりと捉えてしまった。平和ボケがグワンと飛びだっていく。
「待って、待ってください先輩。俺、今日任務してきたんですよ。休みもくれないなんて飛んだブラック企業…」
あたふたしながら慌てた声をだす俺を見て、先輩は違う違う、と、こちらもあたふたした声を出す。
「明日じゃないから、ね?まぁ、次の勤務の話なんだけどさ」
「やっぱりそうじゃ」
「いやいや、話を聞けって夜雨くん…。」
いきなり先輩のことが甘くなり、息を呑む。
「次の任務ねぇ、まだ結構大丈夫そうだから、先になるんだけど。合同任務にしようっておもってるんだよ」
「合…同」
「うん。夜雨のことだからね、変なことしかねないって、みんなが」
みんな…恐らく組織の骨組みのところだろう。
名前もない、ただ目的だけの組織。組織という場がある以上、ある程度の役割もある。
組織の輪郭、骨組みと呼べる、6人。その6人目が、先輩だ。
先輩が率いる第6部。俺はここに所属している。
いくら能力を使ったからって、輪郭にまで話が出るとなると、なんか嫌だ…。
「まさか、ちょくちょく来てる2部とかですか?あそこ、肩苦しそうで嫌なんですけど…」
「俺のところが緩すぎるだけだよ、良かったねぇ緩くて。」
ニヤニヤとこちらを見ている先輩に、ため息をつく。呆れた。
「3部だよ、3部。夜雨くん、初めてだよね」
「あー、初めてっすねぇ…」
俺の言葉を聞くと、先輩は良かった、とつぶやいた。
え、待って怖い。嫌な予感しかしない。
「ほら、俺らの部もそうだけどさぁ、ヤバ…個性的な人たちが多いんだよ」
「先輩、俺めっちゃ心配です」
「まぁまぁ…。だからさ、
3日間ぐらい、友好を深めてもらおうと思って」
「…はぁ?」
情報が理解できない。どういうことか、と口にしようとした時に、ガチャ、と乱暴に開くドアの音がなった。グッドタイミング、と先輩が呟く。
「へーいやってるー!!?」
甲高い音声が、耳を通り過ぎていった。
「ちょっとまってね、今こっちに連れてくから」
そういって先輩はぐんと立ち上がる。
まさか、先輩が今日いつもの任務衣装なのってそういう…。
それにしても訳がわからなかったので、周りに助けを求めても、荒川さんが笑ってるぐらいだった。
困惑が収まっていけばいくほど、こちらに向かう足音は大きくなっていって
ついに、バン、とリビングの扉が開かれた。
「西宮夜雨って奴はどこだぁ!!」
まずその声が聞こえて、次にようやく姿が見える。一人はフードを被り、パーカーにスカートを着て、やけに身長が小さい。もう一人は白髪に白いシャツを着ていて、青い目が浮いている。そんぐらいのことしかわからないうちに、さっきの甲高い声がまた響いた。
「僕は|姫奈篠《ヒメナシノ》!西宮夜雨ってのは君か!?」
やけに声がうるさい、と思って横を向くと、目の前に顔があった。甲高い声の正体はコイツか、と思う。
「…ぁあ、あ」
あまりの迫力に両手を上げてしまう。
「やめなさい、姫奈。相手が怯えているのに気づかないのですか?」
もう一人の白髪の男が、眉をひそめながら言った。
「いいじゃん慈愛!合同だぞ?任務だぞ!?仲良くしないと元も子もない!」
元も子もあるだろ。
男が、わぁわぁとうるさい姫奈をつまみ上げる。空中でジタバタしているのを見ながら、口を動かした。
「初めまして、僕は|四乃蝶慈愛《シノチョウジア》です。……えへへ」
明らかにえへへって言う状況じゃない。
「ということで、この二人と一緒に任務することになったから、それまで仲良くしてやってね、夜雨」
無理だ。
「なぁ青葉…俺の代わりに」
「青葉なら逃げたよ」
「青葉ぁ‥」
唯一の同僚が消え、残るは生意気な先輩達と3部の二人。元々友達作りは無理な人間だって、先輩は分かってるはずなんだ。それなのに、これは煽りか。効いてんぞ、バカほど効いてんぞ。
「が、頑張ります…」
ようやく絞り出せた声は、酷く弱々しくなっていた。
キャラ募集の内の二人を出させていただきました。キャラブレが大分酷い…(^^;)
相田さんは…次回で