公開中
すとぷりのさとみの妹だった件について。③
赤都 乃愛羽
第3話:離乳食デビューは、愛の重さの味がする?
ちぐはちゃんが生まれて数ヶ月。ついにやってきた離乳食デビューの日。
国宝級の美貌はさらに磨きがかかり、ぱちくりとした大きな瞳で食卓を見つめるちぐはちゃん。
「よし、ちぐ。お兄ちゃん特製の10回裏ごしした10倍粥だぞ。……あーん」
さとみ兄さんが、もはや執念すら感じるほど滑らかに仕上げたお粥をスプーンですくう。
「ちょっと待った! さとみくん、お粥だけじゃ味気ないでしょ。僕が北海道産のかぼちゃをペーストにしてきましたよ」
るぅとくんが、どこで仕入れたのか最高級食材を差し出す。
「ちぐはちゃん、こっちの方が甘くて美味しいですよ? はい、あーん」
「えー! るぅとくんずるい! 俺はちぐのために、可愛いイチゴのスプーン買ってきたんだから!」
莉犬くんが、キラキラした目でちぐはちゃんを見つめる。
「ちぐ、俺のスプーンで食べて? ね? お願い!」
そこに割って入ったのは、エプロン姿のななもり。くん。
「みんな落ち着いて。ちぐはちゃんがびっくりしちゃうでしょ。……はい、ちぐはちゃん。まずはパパ……じゃなくて、なーくんのお粥からいこうね」
どさくさに紛れて自分をパパと言いかけるなーくん。
「なーくん、パパは俺や。……嘘や、お兄ちゃんや。ちぐは、俺の面白い顔見ながら食べたらもっと美味いんで?」
ジェルくんが全力の変顔を披露するが、ちぐはちゃんは無反応。
「……みんな必死すぎ。ちぐ、僕が食べさせてあげるよ。ほら、飛行機ですよー、あーん」
ころんくんが、意外にも一番まともな(?)飛行機ごっこでアプローチ。
ちぐはちゃんは、目の前に並んだ6本のスプーンと、必死すぎる6人の顔をじーっと見つめる。
そして……。
「……あぅ、あー……!」
ちぐはちゃんが、一番近くにいたさとみ兄さんのスプーンを、小さな手できゅっと引き寄せた。
「……っ!! 食べた……ちぐが、俺のお粥を食べた……!!」
さとみ兄さん、感動のあまり全米が泣くレベルで号泣。
「あー! さとみくん一歩リードじゃん!」(莉犬)
「次、次は僕のかぼちゃです! ちぐはちゃん、こっちも!」(るぅと)
結局、ちぐはちゃんが一口食べるごとに、6人の大男たちが一喜一憂し、部屋中に歓声(と鳴き声)が響き渡るカオスな食卓に。
「ちぐ、美味いか? ……よし、明日からはフォアグラのペーストにするか」
「さとみくん、新生児にそれは早すぎます」
ちぐはちゃんの胃袋を掴むための戦いは、まだ始まったばかり――。
さとみくんが一歩リードした回でした!