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魔女の物語
美術室の奥に、茨で覆われた城の絵がある。それが満月の夜になると絵が変わるのだそうだ。
部活動で美術部に残っていた私は、偶然、それを目にした。
変わっていないじゃないか。
私はそっと絵に手を伸ばした。
指を当てると、ぴら、と表面が剝がれた。
一瞬、絵を台無しにしたのかと思った。
剝がれた下から、柔らかい笑みを浮かべて眠る少女の絵が現れた。
眠り姫だ。すぐわかった。
花のように可憐で可愛らしく、すべての人に祝福された姫。
私が不慮の事故で死んだのがあれから83年、そして今世は17歳――。
王子が来るまで間もない。
気づいた私は、シナリオ通りに進めるために、コウモリを描いた。