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永遠に続く論争、無駄に長い会議
きのこ、たけのこ、どっち?
星界の大広間。13人の星座たちが集まり、今月の議題が発表される。
「さて、今月の議題は…」
|映姫《天秤座》は進行を始めようとしたが、その顔色はあまり良くなく、少しふらついている。明らかに疲れている様子だ。
「映姫ちゃん、大丈夫?」
|イブキ《牡羊座》が心配そうに声をかけるが、映姫は微笑みながら首を振った。
「大丈夫です…少しだけ、眠いだけです…。あと、地味にこんなくだらない議題でミーティングしたくないです…」
「そっか〜」
そう言ってイブキはそのまま机に顔をうずめて寝てしまう。だが、誰もそのことに気づいていない。
「おい!聞きずてならねぇ!。くだらなくなんてねぇぞ!!」
「映姫ちゃんとオレからしたらくだらないんだよ…。こんなのでオレの時間を取らないでよね…」
「……進めないわけにもいきませんし…。きのこ派、たけのこ派、どちらから行きますか?」
そう、なんと今回の議題は山と里で分かれるあのお菓子のことである。ぶっちゃけどっちでもいいよね。早く終わらせて帰りたい。あわよくば誰も話さないでほしい。そう、映姫の考えを見事にぶち破り、|レオ《獅子座》が元気よく声を上げる。
「たけのこだろ!!あのサクサク感が最高だ!!。あと肉とも合う」
「それはあんただけよ」
|阿梨夜《蛇遣い座》が冷静に諭すようにレオに反論する。実際肉と一緒に食べるのはこいつだけ。
「かぁー!!。わーっかってねぇなー…。この筋肉脂肪貧乳獅子は」
「何その単語」
聞くに耐えない暴言を出したのはやっぱり|アリア《乙女座》。それに冷静なツッコミを入れた、|セイア《水瓶座》。
「きのこだろ。特にあの部分が、アソ」
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「さて、ド変態な便器ちゃんはおいといて…。無駄じゃない?この論争。また映姫ちゃんがぶっ倒れちゃうよ!。ただでさえいまだに5時間睡眠なんだから!」
「なんでぽまえが映ちゃんの睡眠時間を知ってるのか謎だけど、まぁそこは飲み込んでくれ!」
「立場逆でしょ」
映姫がアリアに目を向けると、オウマに馬乗りにされて顔を真っ赤にして喜んでいるアリアの姿があった。これだから残念美少女って言われるんだよ。というかなんで睡眠時間のことを知ってるんだ。
「まぁ最近はよく眠れていますよ。3時間なんて長い方ですし」
気づいてください、立派な社畜になってます。
「え、えっと…ぼくはきのこ…かな…」
俯き、指をちょんちょんさせて発言する|千尋《蟹座》は大変かわいらしい。しかし、きのこを選んだのには狙いがあった。
「ああ!?」
『聞こうよ……』
「だ、だって…仕事中にたけのこを食べると、つい…食べすぎちゃうし…。きのこなら一枚終わるごとに一個食べよう、って思えるから…」
シーン…………。それ、たけのこの方が好きなんじゃね?。本人がいいならいいけど、と全員が思った。
「そ、そうか…」
思わずレオもたじたじである。
「イブキちゃんは、たけのこ派だったかなぁ…?。よく食べてたのは…」
ドン!!と音が鳴って、鳴った方を見ると…スケッチブックを机に叩きつけた、ドヤ顔の|モモイ《牡牛座》がいた。
『モモイさんはチョコを溶かして分けて食べるからきのこ派だよ!!』
「それって、もはや別物なんじゃ…」
冷静なセイアのツッコミがモモイの発言を斬った。
「ぼくはきのこだよ!。描きやすいからね!」
「理由じゃないよそれ」
「ぼくは…たけのこかな。なんとなくだけど。きのこは…普通かな」
セイアの言葉に、珍しくアリアが強気に出た。…体勢が体勢なだけに丸潰れだが。
「そんじゃあ運試しのようなもんじゃねぇか!。ちゃんと決めろよペチャパイが!」
「この豚は立場をわかってないのかな?」
スッとどこからか鞭を取り出した、オウマ。地味に痛そう。トゲトゲついてるし。
「オウマくん、流石に鞭はやめましょう」
「映姫ちゃんが言うならいいや」
「ひぐぅ…!!」
私は何を見せられているんだ、そう、阿梨夜は思った。すると
「待てよ、言ってねぇオメーらはどうなんだよ?」
とレオが発言した。そうだそうだ、ときのこかたけのこか言った星座たちは視線を映姫とオウマ、阿梨夜、|イロハ《蠍座》、|ユウノ《双子座》に向けた。
「んー。ボクはねーアルフォート!」
『出てないよ!!!!』
「でもほとんど似たような物でしょ………」
呆れたように阿梨夜は意見を言った。しかし、勢いよく反論と共に暴言を吐き出したのはやっぱりアリア。
「分かってねぇなー。この貧乳黒インナーが。いまはきのこかたけのこかなんだよ!!」
「じゃあ、きのこ。きのこー」
ズコー!!!と擬音が聞こえてきそうになるほど映姫は倒れた。
「なら最初から言ってください!!」
「…私は、どちらかに属すことはしません…。だってサb…逃げる時に落としたら特定されるじゃないですか」
「そう言ってる時点で怪しいって気づきなよ」
「バカ丸出しですねw」
「表出ろよ能天気が」
オウマが思わず素で呆れ、みぃるが煽る煽る。そしていつもの如く喧嘩が始まる。どうしてバカ同士で争うのか…。みぃるとイロハの決闘は終わりそうにない。
「(て、そんなことはどうでもいいんですよ。問題はこの議題の終結方法…。)」
「というか、チョコなんてほとんど味一緒じゃないですか…。食べたことないのでわかりませんけど…」
瞬間、ミーティングルームが凍りついた。
オウマが、映姫に恐る恐るという形で尋ねた。
「…え、映姫ちゃん…?。い、今なんて…?」
「え、映姫さん…チョコレート、食べたこと…ないのぉ?」
千尋も続けて言った。その言葉に映姫は「声に出ていたんですね」と言いながら頷いた。
「ちょっと待って…」
レオ(獅子座)がその沈黙を破るように叫んだ。
「映姫、チョコレート食べたことねぇのか!? 。なんで!?、どうして!?お前裁判長だろ!? そんなのありかよ!」
レオの声は驚きと興奮に満ちていた。
「いや、裁判長は関係ないでしょ………。確かに映姫ちゃんがチョコ食べてるところ見たことないかも…」
「何お前、映ちゃんのことなんでも知ってんだよ…。山羊座ってストーカーが多いのか?」
「そんなことないよー!!。オレは映姫ちゃんなんてなんとも思ってないからね!。嘘だけど。ただみぃるちゃんより知ってるってだけだよ!」
「んだとテメー!!」オウマに殴りかかりそうになったみぃるを阿梨夜に拳で黙らせてもらった。
「でもでもー、いつもお菓子持ってくる時はどうしてるのー?のー?」
ユウノが疑問をあげ、それにアリアが同調した。
「そうだぜ。まさか、私様に毒味でもさせてんのか…?」
ひゃーおっそろしい!とやかましいアリアをオウマは鞭でぶっ叩いで黙らせた。こえー…。
「だ、大丈夫ですよ…。そもそもお菓子自体がどんな味なのか分からないですし…。それに、よく|紗白《ペガスス座》がつまみ食いしますから…」
あ、これ映姫ちゃんがお菓子食べたことないの、オレが遊んだり、仕事放っといたからじゃね?とオウマは思った。
「みんな、今日は映姫ちゃんにのど飴以外を食べさせよう」
「なんで仕切ってるのかわかんない」
「|そら《魚座》、気にしちゃ負け」
「つーか、なんで山羊はんなこと知ってんの?」
そうだそうだ、とみぃるの言葉に同調する星座(−映姫、イブキ)たち。
「普通に考えて、チョコ食ったことないなら他のお菓子も食べたことないよねって話。あとのど飴食べてるところ見たし」
こうして、オウマ主催のお菓子パーティが開かれたのであった。ちゃんちゃん
人物紹介:オウマ
準主役。山羊座。議論を引っ掻き回すトリックスター。映姫のスケジュールを管理している。
思いつきで適当なことを言って周囲を振り回す自由人。議題をわざと混乱させるが、最終的には自分の意見を押し通す。責任感や倫理観は欠けており、他人の反応を楽しむ。自己中心的で無邪気に振る舞う。自分のペースで物事を進め、他人がどう思おうと気にしない。
映姫の家に無断で凸って9月10月区域の仕事の半分をしている。自分のはしていない