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練習書き
お前の叫び声が聞こえる、お前の血が飛び散る、部屋中鉄の匂いが充満している。
お前が憎かった、お前の何もかが憎くてたまらなかった。
声も、仕草も、存在すらも。
今更我に返れば瀕死で自分の血でまみれたお前が死にたくないと口を開閉させて酸素を取り入れている。
それが気色悪いのなんの、さっさと死んでしまえばいいのに!
「無駄な足掻きは痛いだけだから、早く死んで。」
心臓に向かって刃を突き立てる。それまでドクドクと血を循環させていた心臓は止まる。
それでも即死は出来ない、人間とは頑丈なモノだな。
死んでいくお前を眺めている。死んでもお前が憎い。
何が憎いのか分からなくなった。
眼を潰した、グチャッとした感触が気色悪かった。眼の潰れたお前は無様だった。
頭部をかち割った、脳味噌が飛び散る。
もう十分だと自分の脳が言っている。
心も十分だと言っている。
やっとパトカーのサイレンが聞こえた。
そのうち警察が入ってくるだろう。
それなら死んでやろう、捕まるくらいなら。
自分の首に刃を立てる、お前と同じ場所に行くのは癪だが。
捕まってこのまま生きるのはもっとイヤだ。
主人公はメスで、殺された奴はオスなんですね。
元々嫌いだったらしいんだけどね、なんか自分の好きなメス取られてさ怒ってん。
人間って醜いね。
猫も同じくらい醜いけど。