公開中
泣いて、笑って、手を取りあう 5
今回は、センターを飾るメンバーが分かります。ぜひご覧下さい!(作品中の会話のメンとは、メンバーのことです)
ダンスの振り付けを一通り覚えたら、次は歌の練習。これでも、歌唱力と表現力が問われる。もちろん、お互いをライバル視しており、表現の仕方はそれぞれ異なっている。
---
しかし、あるメンバーは、本気でセンターを取りたいと誰よりも強く願っていたのだ。それは、一花である。
彼女は、小学生の頃、クラスメイトからいじめを受けていた。彼女は、小さい頃から声が高く、彼女自身、自分の声を嫌っていた。クラスメイトから言われていた言葉は、
「声がうざい」「とにかくキモい」。
しかし、なぜ彼女がそれでもアイドルを目指そうと思ったのか。それは、彼女には当時、好きな人がいた。ある日、彼女は好きな人にこんなことを言われた。
「僕は、一花の声好きだよ。何だか落ち着くんだ。」
この一言で、彼女は思った。自分は、もしかすると、クラスメイトが嫌っているだけで、自分の声を気に入ってくれる人もちゃんといるという事を。
彼女の顔も、小さい頃から可愛かった。人に顔を見せる分に、何も困らなかった。それに、ずっと昔から歌ったり踊ったりするのが好きだった。
だから、彼女はアイドルを目指し、自分の特徴的な声を活かし、自分という存在を色んな人に知ってもらいたいと思ったのだ。
---
そんなに本気で人気のアイドルになりたいと思っているのは、もちろん一花だけではない。みんな、それぞれに違った過去を持っている。だから、全員が本気で練習した。
誰よりも人気者になりたい、誰よりも愛されたい、そんな感情をメンバーはみんな思っていた。
1カ月、8人は真剣に練習に励んだ。そして、ついに初のライブの前日になった。
監督「今から、明日のセンターを発表する」
メン「…」
監督「センターに立つのは…近藤 咲良、君だ。」
咲良以外のメンバーは、みんな悔しがった。咲良は、歌がダントツに上手い。センターになるのも、無理はない。
今回ばかりは、咲良をセンターにライブをすることになった。
ライブ当日。8人は初めてファンの人たちの前に顔を出した。以前の新グループ発表の時は、目の前にファンはくることになっていなかった。
まずは、自己紹介から始まった。アイドルはとにかく元気に挨拶をしないといけない。どんなに、落ち込んでいたとしても、センターになれず悔しかったとしても、そんなことはファンの前では隠さなければならない。
自己紹介が終わり、早速曲を見せる。観客数は、5000人いる。そんな中で、パフォーマンスするのは、全員が初めてのことだった。緊張さえも隠さなければならない。それが真のアイドルなのだ。全員が本気で、踊った。無事にライブは終了した。
次から、8人が本当のアイドルの辛さを知ることになる…。
次回からいよいよ8人のメンバーの協力性が試されます!お楽しみに!