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#11
「ザンカお前何考えてんきもい」
「昔のこと考えてた」
といい少年に向かって行った
「あ!ずるい僕も!」
「全くあいつら変わらねぇな」
「あ、おい待て」
とエンジンとルドが行った
ーー
ザンカの部屋。
ベッドに横になり、天井を見つめながら呟いた。
「懐かしいな、長髪の時のレイラ……可愛かったな」
「///いやまぁ…………今も、だけど」
その時、ドアがノックされた。
「……どうぞ」
「ザンカぁ、髪とかしてくれへん?」
レイカがひょこっと顔を出す。
「またか。ほら、こっち来い」
「……髪短いから、わざわざとかさなくてもいいだろ?」
ザンカはレイラの髪にブラシを通しながら言った。
「髪は女子にとって武器なんやで?」
「はぁ、女心ってのは分からんもんだな」
「ザンカひっど!僕ら15歳からずっと一緒におるのに!」
その言葉に、ザンカは少し顔を引き攣らせて「そうだったな」と応じた。
ーー
「(( _ _ ))..zzzZZ」
「おい、レイラ……まさか寝てるのか?」
優しく声をかけるが、起きる気配は全くない。
「はぁ、相変わらず手のかかるやつめ」
ザンカは、眠ってしまったレイラを抱き抱えて自室を出た。廊下は静まり返っており、他のメンバーはまだリビングか、それぞれの部屋で休んでいるのだろう。ザンカはゆっくりと、レイラの部屋へと向かった。
ーー
「んぅ……」
「起きたけぇ?」
ザンカの声に、レイラは瞼をこすりながら身動ぎした。いつの間にか、ザンカのベッドではなく、見慣れた自分のベッドの上に寝かされていた。
「あれ……僕、寝ちゃってた?」
「まっことじゃ。人の話を子守唄代わりにしとるんじゃけぇ」
ザンカは呆れたように笑い、ベッドサイドの椅子に腰掛けた。
「ごめんてばぁ。ザンカの声、心地いいんだもん」
レイラは悪びれもせず微笑んだその無邪気な顔を見て、ザンカはまた少しだけ昔を思い出した。
「そういや、昔のこと考えてたって言ってたけど、何考えてたん?」
レイラが興味深そうに首を傾げる。
ザンカは少しだけ視線を逸らし、頬をポリポリとかいた。
「……お前が長髪だった頃のことだ」
「えぇ!?」
レイラは驚いて飛び起きそうになったが、すぐに恥ずかしさで顔を真っ赤にしてベッドに沈み込んだ。
「///……な、なんで急にそんな昔のこと……」
「なんとなくな。あの頃は色々あったから」
ザンカはふっと優しい目をして、レイラを見つめた。
「まぁ、短い髪も悪くない」
「〜〜っ!」
レイラはもう何も言えず、布団に顔を埋めてしまった。その耳まで真っ赤に染まっている。
「さて、明日も早い。もう寝る時間じゃ」
ザンカは立ち上がり、部屋の電気を消した。月明かりが窓から差し込み、部屋を淡く照らす。
「おやすみ、レイラ」
「……おやすみ、ザンカ」
布団の中から、くぐもった声で返事が返ってきた。
ザンカは静かにドアを閉め、自分の部屋へと戻っていった。
ベッドに横になったザンカは、頬の熱が冷めないレイラの姿を思い出し、一人静かに微笑んだ。
「……ほんと、変わらねぇな」
外は静かな夜だった。
🔚