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さんわ
うぇあ
次の日。
教室に入ると、ざわざわと声がする。
私を指さして、ひそひそと、内緒話をしている。
絶対、昨日のことだろう。
すると、硫黄泉さんが寄ってくる。
「月乃さん、おはようございます♡」
「…おはようございます、」
「警戒してます?」
「…別に、」
「してるじゃ無いですかー、まぁいいですよ、仲良くしましょうね」
「……はぁ、」
「それでは~」
1人で喋ると、居なくなった。
なんというか、びっくりする。
あんなイケメンに話しかけられる意味が分からない。(自分可愛い自覚なし)
運悪いのか、美香は体調不良、ふわちゃんは家庭の都合で休み。
つまり、イケメンに話しかけられやすい。
「月乃さん、次の授業係決めるんだって!」
「あ、そ、そうなんだ…」
莉犬さんが目をキラキラさせながら言う。
「何の係にする?」
「…えっと、まだ、決まってないかな、」
「なんか委員長居ないらしいよ」
それだけ言うと、イケメンのところに戻って行った。
そして、係決めの時間。
私が迷っていると、莉犬さんが手を挙げた。
「委員長に月乃さんを推薦しまーす」
「えぇ、っ…!?」
「意義ある人いる?」
たった1日で、莉犬さんたちはクラスの陽キャトップに上り詰めていた。
だからもちろん意義ある人はいない。
しかも莉犬さんは可愛くて人懐っこいから、信頼を得るのも早い。
「はい、じゃあ決定」
「じゃ、俺副委員長で」
莉犬さんがにっこり言うと、ジェルさんが不満をあげた。
「俺副委員長やりたかったんやけどー…莉犬ひどー」
「ひどくないもーん、早いもん勝ちーっ」
「じゃあ俺書記やるわ、書記の方がやってみたかったし」
「俺も俺も!」
ななもり。さんが元気に手をあげる。
「じゃ、書記はななジェルね」
「え、副委員長2人でもありですか?」
「良いんじゃない?知らんけど」
「じゃ、僕と莉犬で副委員長やります!」
「じゃあさとみくんと僕で会計?」
とんとん拍子に決まっていく。
「そういえば、先生!この役割って生徒会にも入りますよね」
「あぁそうだぞ!」
「え、意義あるやつ居ないよね?」
莉犬くんは、にっこりと微笑む。
その笑顔が可愛いなんて思ってしまった。
…私何考えてんの!?
そして生徒会に入ることになってしまった。
莉犬さん、結構強引で怖い。