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魔法試練:第四戦 土の試練
闘技場の床が震えた。 地鳴りとともに、土の国・グラナードの重装騎士・ロムが現れる。 全身を岩の鎧で覆い、背には巨大な戦槌。 彼の一歩ごとに、地面が沈み、空気が重くなる。
「土は、物理の力。重さ、圧力、耐久——それらを拒絶できるか?」
ロムの声は、地の底から響くような重低音。
リュカは、灰色の魔力を纏いながら、静かに構える。 だが、ロムは言葉を待たずに動いた。
「試練に言葉はいらん。力で語れ」
戦槌が振り下ろされる。 地面が割れ、衝撃波がリュカを襲う。 リュカは跳び退るが、足元が崩れ、バランスを失う。
「地は、逃げ場を与えん」
ロムは、地面を操り、リュカの足を岩で絡め取る。 動けない。 重力が増し、身体が沈む。
「……っ、重い……!」
リュカは、灰色の魔力を集中させる。 だが、土の魔法は“物理”そのもの。 拒絶するには、概念ではなく“存在”を否定しなければならない。
「俺の魔法は、属性を拒絶する。ならば、土の“存在理由”を壊す」
彼は、地面に手をつける。 灰色の魔力が、岩の構造を分解し始める。 分子の結合が崩れ、岩が砂へと変わる。
「……なに?」
ロムが驚く。リュカは立ち上がる。
「土は、支える力。だが、支配のために使われるなら、俺はそれを拒絶する」
灰色の魔力が、地面全体に広がる。 闘技場が、重さを失い、浮遊する砂の海へと変わる。
ロムは戦槌を収め、静かに頷いた。 「お前の“無”は、物理すら否定するか……見事だ」
リュカは、息を整えながら次の試練を見据える。 光の国・セレフィアの神官戦士が、聖なる結界を纏って現れる。
「次は、光の試練。信仰と秩序の力を、拒絶できるか?」
はい!
めでたく6話目まで書きました!なになに何話ぐらいで終わるか…?
完結?ナニソレオイシイノ?