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おかしなコンビニ
ギャグのリクエストがあったので書いてみました!
深夜二時。街が寝静まる中、青い看板のコンビニ『エブリデイ・ゼニス』だけが不気味なほどの輝きを放っていた。
俺、#名前#(しがないフリーター)は、どうしても「うまい棒(めんたい味)」が食べたくなり、入店した。
「いらっしゃいませ。ようこそ、あなたのライフ・クオリティを最大化する聖域へ」
自動ドアが開くと同時に、腹の底に響くバリトンボイスがした。
レジにいたのは、金髪を七三に分け、制服のポロシャツの襟を限界まで立てた男、店員の神宮寺だった。彼はなぜか、レジカウンターの上でMacBookを叩いている。
「あ、どうも……」
俺は気圧されながら、うまい棒の棚へ向かった。しかし、そこには「うまい棒」というポップはなかった。
『【High-Efficiency Corn Snack - MENTAI Flavor】
〜12円で手に入る、刹那のラグジュアリー〜』
ただのうまい棒が、まるでシリコンバレーのスタートアップが開発した次世代デバイスのような扱いを受けている。
俺はそれを一本掴み、レジへ持っていった。
「これ、お願いします」
神宮寺はMacBookを閉じ、スッと立ち上がると、俺の目を見つめて言った。
「お客様。この選択、実に『アグレッシブ』ですね」
「は? うまい棒買っただけですけど」
「いいえ。あなたは今、わずか12円という超低コストで、空腹という『負の負債』を完済し、幸福度を『ブースト』させる決断をした。そのマインドセット、敬意を表します」
神宮寺はバーコードリーダーを、まるでフェンシングの剣のように鮮やかに振るい、うまい棒をスキャンした。ピッ、という音が「勝者のファンファーレ」のように聞こえる。
「お会計、12円になります。決済方法は? やはり、キャッシュレスによる『時間のショートカット』を選択されますか?」
「あ、はい。Suicaで」
「賢明な判断です。物理通貨の授受という『非効率なマニュアル作業』を排除する。これこそが現代のソリューションだ」
決済が完了すると、神宮寺はうまい棒を恭しく両手で差し出してきた。
「こちら、アセット(資産)になります」
「……うまい棒ですよね?」
「はい。そしてお客様、一つ提案(プロポーザル)があるのですが」
神宮寺が身を乗り出してきた。
「このうまい棒、袋の端から開けるという『従来型のスキーム』ではなく、真ん中から一気に叩き割って開封する『ブレイクスルー・スタイル』をお勧めします。これにより、めんたいパウダーの拡散効率が15%向上し、嗅覚へのコミットメントが深まります」
「……いや、普通に食べます」
「なるほど。既存のフレームワークを大切にする『保守的なガバナンス』……それもまた一興。では、最後にこちらを」
神宮寺はレジ袋(有料)を差し出す代わりに、一枚の紙を渡してきた。
「なんですかこれ」
「私の名刺です。裏面には、このコンビニをより『シナジー効果』の高い空間にするための、私の30年間のロードマップが記されています。目を通しておいてください」
俺は逃げるように店を出た。
外で食べるうまい棒は、いつもより少しだけ「ロジカル」な味がした。
翌日。
再び店に行くと、入り口には『入店には1分間のピッチ(自己紹介)が必要です』という看板が立っていた。
俺は、ローソンに行くことに決めた。
うまく書けた気がしない。