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あのころに戻れたら
ケータイ小説よみたいな
これはちょっとケータイ小説感だしたくなっただけ
あのころがわたしの全盛期だった。
いまはちがう。顔を気のするこの年齢で、わたしが人気者とか一軍にはなれない。わたしの顔は可愛くない。
だけどあのころは、小4のときは顔のことなんてどうでも良かったし、目立つ人目立たない人はあったけどそれはいまのこのスクールカーストとは違う気がする。それに友達がいた。酒井るながいた、溝口ミサトがいた。るなは小5で転校した。ミサトも中学受験のために小5から塾に通うようになって少し距離ができた。中1、るなとはもう連絡を取っていなかったけど、普通に転校先の地域の中学に行ったんだろう。ミサトは受験に見事合格してわたしとは違う中学に入学した。
小学校からの知り合いがたくさんいる公立中学で、わたしは孤立した。わたしはずっと消極的だったし今までるなとミサト以外の友達ができたことがなかった。担任は時々「1人で大丈夫?」と訊いてきた。そのたびに、どうして学年の人数が200を超えるこのマンモス校で、いじめがあるわけでもなくただ孤立しているだけのわたしにまで気遣いの言葉をかけられるんだろう、と思った。わたしは大丈夫じゃないなんて当然答えなかったし放っておいてほしいとすら願っていた。定期的にある担任と生徒の一対一の面談で何を言われるのか憂鬱で仕方なかった。
ああるなが転校しなければ、ミサトが受験に落ちていれば、わたしは友達がいる普通の生徒になっていたんだろうか。
そんな想像をして、でもそれは違うと思うの。だってるなは可愛かったから、ミサトは明るかったから、わたしとずっと一緒にいてくれるわけないの。わたしより話が面白くて積極的な一軍の子たちに引き抜かれて結局わたしだけ孤立していた気がするの。
わたしはあのころに戻りたいの。ただ。
るなの思考に、ミサトの思考に、もっと別の子と仲良くするっていう選択肢がなかったころに。
顔の整った子と仲良くしたいなんて考えがなかったころに。
わたしたちしかいない閉鎖的な世界に。
電話がかかってきてわたしはスマホをカバンから取り出した。画面に表示されている名前を見て目を見開く。「溝口ミサト」……小6の時にLINEを交換して、でも結局中学に上がってからはほとんどメッセージを送り合っていなかった。なんで急に。わたしは緊張しながら電話に出る。
「もしもし…ミサト。」
『ち、千歌?だよね。』
「うん。」
ミサトもどこかぎこちない。
『あ、あのさ……あの公園、きてくれない?』
「公園っ?」
声が跳ねる。あの公園って…わたしの頭にひとつ浮かぶ。名前なんてないくらい小さな、わたしたちは確か親の影響でちびっこ公園とか呼んでたっけ。小4まではそこで毎日のように遊んでいた。ブランコとか、ジャングルジムとか、シーソーとか……家からわざわざバドミントンのラケットと羽を持っていって遊んだこともある。
「公園ってちびっこ公園だよね?」
『あ、そう!それ。』
「きてって、いまから?」
『うん。……来れる?急でごめん。』
「いける…けど、なんで。」
思わず声が低くなる。
『……会ったら言うから…とりえず来て。おねがい。』
「なにそれ。」
『ごめん、とりあえず待ってるから。』
電話はそれで切れた。わたしは動揺しつつ、窓から外を見た。午後5時前の世界は薄暗い。数秒迷って、わたしはカーディガンを羽織って部屋を出た。
「…」多用したい