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無題
相変わらずの謎小説
「レーリーアーン!」
「断る」
「何故だい!?」
小説を閉じ、レリアンは溜息をつく。
「大抵の場合は俺にとって悪いことだからだ。そして君が上機嫌なほど最悪なことが多い」
「酷いなぁ。私はただ君に頼みたいことがあっただけなのに」
「断る」
「だーかーらっ! 内容ぐらいは聞いてくれたって良いだろう!?」
「……余計な会話もしたくないのだが」
「泣くぞ」
「勝手に泣いていろ」
うわーん、と本気で泣き出したヴィクトリアに対し、レリアンは本気で引いた。
「……何をしたら良いんだ」
「ふふん♪ なに、簡単なことさ──」
--- 私に戦いを教えてくれ、ヴェルレヱヌ ---
「──は?」
「暗殺王の技術を、私にも教えてくれ」
「ちょっと待て、話が読めない」
「私の仕事がエンバーマーだけというのも、組織にとって良いことではない。今、マフィアに必要なのは戦力だ」
「勝手に話を進めるな、リア」
「じゃあ何から答えればいい?」
「俺が教えるようなことは何もないだろう」
「いや、私には殺しの技術はあっても未熟だ。才能はない」
「……その目、本気なのか」
「本気じゃなかったら真剣に頼まない、ヴェルレヱヌ」
まっすぐな瞳に、少しレリアン──改めヴェルレヱヌは悩む。
笑顔にしか興味がない男が、急にマフィアの為に自身の力をつけようとしている。
「戦闘は?」
「少なくともマフィアに入ってからはゼロだね」
「……もう一度聞く。本気なのか」
「私はいつでも本気さ」
「全く……その調子では本心なのか分からないな」
溜息を吐きながら、ヴェルレヱヌは立ち上がる。
「相変わらず獲物は|手術刀《メス》なのか?」
「必要なら何でもやる」
「なら普通のナイフを使え。俺が相手するのに面倒くさい」
「銃は?」
「また今度だ。まず体術、からの近接武器の扱い方」
「……ま、|先生《Teacher》に大人しく従いますか」