公開中
閑話:夢の世界の少女の話
今回は、ほんとに短いです
夢の世界、それは素晴らしいものだろう。
自分の自由な世界で、何もかも想像するだけで創造できる。
地面をけ
れば、水が浮かびベッドが生まれる。
手をたたけば、雲が現れお人形さんが歩いてきてくれる。
そんな世界が私は好きだ。
でも…表の私は、とても辛そう。
殴られて、臭い男の相手をして、首を絞められて…とっても、悲しそう。
泣くこともなくなってしまった。
いつか、心も壊れて起きなくなっちゃうんじゃないかって凄く不安になる。
だから、せめて夢の中だけでもあってあげて心を癒してあげたい。
そんなことを思いながら毎日のように夢であってたのに…。
ある日、表の私が誰かに攫われた。
その時、夢に落ちてきたのに全然起きなくて…。
少し、寂しかった。
それから、創造の世界で二日…現実世界だと10時間くらい経った頃表の私が目を覚ました。
でも、挨拶もせずに行っちゃった。
それから、しばらく…走ったり、逃げたり、魔法使ったり、剣を使ったり、勉強したりしてたけど…。
一回も、会いに来てくれなかった。
というか、ボロボロだった心が攫った張本人達のおかげで包まれて癒されていた。
「こんなにボロボロだったのに…私、直してあげれなかったのに…」
少し、嫉妬交じりの言葉が誰もいない空間に舞った。
今度は、いつ会いに来てくれるのか…。
もしかしたら、記憶の中に私がいないんじゃないか…。
そんな疑問すら、頭をよぎり私は手をたたき歩いてきた人形をぎゅっと抱きしめて表の私が帰ってくるのを待った。
しばらくして、修行が終わったらしい…。
その間も一切会いに来てくれなかった。
知識だけが増えていきいつしか夢の世界であるこの場所にも図書館が作られた。
私は、その知識を何回も読み返し本を取れば全て分るまでに進化した。
でも…このはは来なかった。
こんなに頑張ったのに…。
会いに来てくれなかった。
もう、忘れてしまったのだろうか…。
そんなのは、嫌だ。
私は、…私は…。
いつしか、私の嫉妬の感情は強くなっていった。
白く綺麗だった夢の世界は、赤黒く汚い色に変わってしまった。
苦しい…。
このはと話せないのが…。
苦しい…。
彼女と遊べないのが…。
苦しい…。
私と寝れないのが…。
憎い…。
私から、私を奪った彼女たちが。
憎い…。
私から、彼女の心を奪った彼女たちが。
憎い…。
私から…私から、このはを盗んだ彼女たちが!
そう考える度に、世界が黒くなっていった。
夢の世界は残酷だ。
彼女から忘れられたら、もう会えないのだから。
地面を蹴れば、血のように赤い液体が私を包む。
手をたたけば、武器を持った人形が私を刺す。
幸せなんてものは、もう無い。
もしも、機械があるのなら…。
私は…。
黒い世界に、一つ小さな結晶がきらりと白い光を放った。
え…1000文字台??
わぉ…すっくなぁ…