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いつもの空席
なっとうごはん
教室に入ると、端っこにいつも置いてある席が目に入る。先生に聞いても「佐藤さんの席よ」と言って、気まずそうにどこかに行ってしまう。
この学校には、「佐藤」という人はいない。故に先生が言う「佐藤さん」は誰も見たことがなかった。でも、どうしても怪しさが薄れることはなかった。ホームルームで先生はいつも「今日も全員来ているな」と言っているからだ。
ある日の放課後、忘れ物をした僕は教室に戻った。やはりあの席に目が行ってしまう。誰も興味を持たないあの席に。
引き寄せられるようにあの席に近づき、机の中を見た。当然、何の変哲もない空だと思っていた。だけど、文字がびっしり書いてあり、真ん中に小さなボタンが置いてあった。
この光景に驚きが隠せなくて、「うわ!」と叫んでしまった。でも、あのボタンが気になって押してみた。
教室に入ると、端っこにいつも置いてある席が見当たらなかった。
いつものように入ってきた先生は「今日は全員来ているな」と言った。