公開中
holic-7
三題噺というのは複数のお題(例えば「三題噺」なら三題)を順番に提示していって、
「三題噺」というひとつの作品を完成させるという一種の遊びのようなジャンルなのですが、実はこの形式にはいくつかのパターンがあります。
なお、三題噺の他のバリエーションとしては以下のようなものもあります。
「それがさあ、目撃者が誰もいないらしくて困ってるんだよ。今のところ容疑者候補すら浮かんでないらしいぜ」
「そうなんですか……。じゃあ、これからどうするんですか?」
「そうだなあ……。とりあえず署に戻って事件の詳しい情報を聞き出してから考えることにしようかな」
「そうですか……。では行きましょうか」
「ああ」
というわけで私たちは一旦警察署に戻ることにしたのだった。
【解説】
今回の話はいわゆる「三題噺」と呼ばれるタイプの作品です。三題噺というのは複数のお題(例えば「三題噺」なら三題)を順番に提示していって、
「三題噺」というひとつの作品を完成させるという一種の遊びのようなジャンルなのですが、実はこの形式にはいくつかのパターンがあります。その中でも代表的なものがこの三題噺というわけです。なお、三題噺の他のバリエーションとしては以下のようなものもあります。
1・1つ目(三題噺)
「密室殺人」
2・2つ目(三題噺)
「自殺に見せかけた他殺」
3・3つ目(三題噺)
「偽装工作」
4・4つ目(三題噺)
「偽装工作」
「偽装工作」というのは文字通りの意味で、実際にはやってもいないことをやったように見せかける行為のことを指します。例えば実際に誰かが死んでいるのに死んでいないかのように偽装したり、実際には存在しないものをあたかも存在しているかのように偽ったりすることですね。なお、この形式は「三題噺」
「ミステリ小説における叙述トリック」にも用いられます。
5・5つ目(三題噺)
「完全犯罪」
6・6つ目(三題噺)
「アリバイ崩し」
7・7つ目(三題噺)
「アリバイ工作」
8・8つ目(三題噺)
「アリバイ作り」
9・9つ目(三題噺)
「アリバイ検証」
10・10つ目(三題噺)
「アリバイトリック」
11・11つ目(三題噺)
「アリバイ証言」
12・12つ目(三題噺)
これは読んで字のごとくですが、13番目はありませんよ。
13.13つ目(三題噺)
何もなし 14・14つ目(三題噺)
特になし 15・15つ目(三題噺)
何もない 16・16つ目(三題噺)
特になし 17・17つ目(三題噺)
特になし 18・18つ目(三題噺)
特になし 19・19つ目(三題噺)
特になし
「ところで刑事さん」
不意に声をかけられて振り向くと、そこに立っている人物は例の男であった。確か名前は山野辺と言っただろうか?
「何ですか?」
そう聞き返すと彼はこう言った。
「この事件、もしかすると殺人事件ではなく自殺に見せかけた他殺かもしれませんよ」
いきなりとんでもないことを口にする男である。
「どういうことですか?」
思わず尋ね返してしまった。すると彼はこう答えた。
「ほら、あれですよ」
そう言って彼が示した先を見るとそこには壁に取り付けられた一枚の絵画があった。そしてその絵を見た途端、驚きのあまり固まってしまった。何故ならそこには一人の女が首を吊っている姿が描かれていたからである。
「あの、あれって何の絵なんですか?」
すると彼は平然とした口調で答えた。
「あれは『吊るされた男』です」
「えっ……?」
何だって……? 今何て言ったんだ?『吊るされた男』だって……? それはどういう意味だ……? いや、待てよ……。
「そうか!」
そうだ! 思い出したぞ! そういえば前にどこかで見たことがあるような気がすると思っていたんだが、あれはたしか推理小説で読んだんだった! あの話はどんな話だっただろうか……? ああ、思い出した! 思い出したぞ!