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2話
Yomogi
次の日、目を覚ますと知らない場所だった。
見渡してみると、ここは地下刑務所だった。
ニア(僕は、あの時・・・。)
あのあとの記憶は殆どなかった。
かろうじて覚えているのは、最後にお父さんが言っていた
フロム『ニアの処遇については明日の正午行う。』
ぐらいだ。
そして、僕の処遇は今日の午後決まる。
僕は、僕が殺したことになっている大切な友達の名前を呼んだ。
ニア「アラド・・・。」
そう弱々しくつぶやいた直後、見張りの警備員から
警備員「105番、面会だ。」
と言われた。
105番は僕の囚人番号だ。
ほとんど床と変わらないベッドで寝た硬い体を起こし、
警備員の監視のもと、別室に移動した。
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面会場所にいたのはベルだった。
ベルは立ち上がって一礼し、また座った。
僕もつられて礼をした。
警備員「会話時間は3分だ。」
カチッとタイマーが動き出したあと、ベルは口を開いた。
ベル「お久しぶりですね、ニア様。」
ニア「久しぶりって言っても、昨日も一緒に居たよね。」
冷静にツッコミながらも、会話は続いた
ベル「そうでしたね。私にとっては、昨夜、とても長い夜に感じました。」
ニア「わかるよ。あと、様付けはやめてよね。多分もうすぐ王家の子ではなくなるんだし。」
ベル「でも処遇が決まっていない今、まだあなたは王の子であり、私を見つけてくださった方であります。」
ニア「そういう所、ベルは頑固だよね。」
そんな感じで他愛のない話をしている間に、またたく間に3分経ってしまった。
そして、1回もアラドの話題は出なかった。
僕を傷つけまいという、ベルなりの優しさだろう。
ベルは外に出ていく際、僕の方を振り返って、
ベル「ニア様がどうであろうとも私は、あの子も、ニア様についていきますよ。」
といって去っていった。
あの子というのはアラドだろう。
全く、犯罪者についていこうなんて考えるやつなんて、ベルとアラド以外いないよ・・・。
僕の目から、あの時流れなかったものが流れ出てきた。
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裁判官「これより、昨夜おきたアラド・アース殺人事件の裁判を行う。」
裁判官がそう告げ、裁判が始まった。
もちろん裁判は僕にとって不利な方向に進んでいった。
それもそうだ、あっちには証拠が多数ある。
僕たちには物的証拠がない。
判決はすぐに言い渡された。
裁判官「被告人ニア・ヒューマは、国外追放とする。」
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僕は必要最低限の荷物を持って、部屋の外で待機していた傭兵と合流した。
世間へ大事にならないようにと、人が少ない時間に素早く城壁に行った。
門が開かれ外に出ると、今までかかっていた魔法が一気に切れるような感覚に襲われた。
驚きのあまり目をつぶってしまい、次に目を開くと、
そこは城から見た世界とは全く違う世界のように見えた。
枯れた木々、干上がった海、緑もない山、誰もいない迷宮、軽蔑している空、
何も出来ない氷雪地方、空っぽな砂漠。
アラドが死んで沈んでいたの心に、国の外の現状がぐっと重くのしかかる。
ニア(父と母はこの現状を知っていて・・・嘘までついて・・・。)
城壁をもう一度見てみると、幻影を見せる魔法結界が張られていた。
そして、少し歩いて森に入ってみると、そこら中に人間の骨や服の欠片が落ちていた。
ニア(国外追放された人たちは、みんな魔物に食べられたか生き延びれなかった者達だろう・・・。)
僕はなるべく骨などを集めて埋葬し終わったときにはすっかり夜になっていた。
落ちていた木の棒や葉などで簡単な家を作り、火をおこした。
だけど、一人になるとどうしても考えてしまうことがあった。
ニア(僕が、アラドを殺した・・・。僕の料理で・・・アラドを、殺した。)
なにか食べようを思っても、その現実が頭をよぎる。
アラドと同じように、僕が触ったものを食べると死んでしまうのはないのかと考える。
僕はその日、何も食べずに眠りについた。
次の日も、その次の日も、怖くて何も食べれない日々が続いた。
ニア(このまま・・・死んじゃうのかな・・・。)
何度も何度も、この考えが頭をよぎった。
でも、
ニア(僕は、アラドを殺したんだ・・・。だったら、死んだほうが、アラドの・・・ためにも・・・。)
そう思って、焚き火の火を持とうとした瞬間、
ガシッ
誰かに腕を掴まれた。
アラド「俺は誰にも殺されねぇし、誰も殺させねぇよ。」