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部隊スペードの決闘 第3話
林沢レオ
前回のあらすじ
宮城、藤浪、大葉の三人は木村優佳が経営する武器庫にて銃を購入する
木村さんの止まらぬ話を聞くフリをしながら話を聞いていた僕は棚を見つめながら品定めをしていた。
「これ…かっこいい」
鉛色の銃身にグリップに巻かれている包帯から木材が顔を覗かせている。
「あー、M1911?それね、ここに流れてきた時もう中古やったっちゃんねー。包帯は味があるけん外しとらん。問題なかと思うけど、試し撃ちしてみる?」」
「お願いします!」
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僕と大葉さんは奥の射撃場に案内され、奥で作業していた男、石川から銃の説明を聞いた。
「基本的な使い方はどれも同じです。大葉さんの銃は安全装置が付いていないので取扱には注意を」
大葉さんはトカレフという銃を選んだらしい。なんでもロシア発祥で、暴力団がよく使っている銃だとか。
「なんでまたそんなプロっぽくない…」
「プロっぽくないってなによー。元々これは軍で使われていた銃で、部品をすごく少なくしたから大量生産ができたわけ。でもそれが原因で北朝鮮とか中国から…」
また話が長いモードに入ってしまった。しかもちゃんと聞くとさっき車でも話してたような…
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2人について行こうとした時、優佳ちゃんから声をかけられた。
「藤浪さん、ちょっと残ってくれん?」
「何か話でもあるのかい?」
振り返ると彼女は神妙な面持ちだった。こんな顔を見るのは初めてかもしれない。
「実はね、藤浪さんに会いたいって言いよる人がおるとよ。笹本さんっていう、日犯団の人なんやけど」
「日犯団?」
自分の顔が曇るのがわかった。なんせ日犯団、“日本犯罪対策団体”の連中だ。警察でもないのに日本中の犯罪を防止しているらしい。JCIPAのライバル、というか天敵だ。
「なんで日犯団が?俺に?どんな要件で」
「要件はうちも聞いとらん。私が一緒について行くけん、安心して話聞いてほしか」
優佳ちゃんの顔を見ると拒否するわけにもいかず、俺は了承した。
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「あの5本を早く倒した方が勝ちね。負けた方は今日のお酒代を奢るでどう?」
大葉さんは5mほど先にあるジンジャエールの瓶を指して言った。俺はM1911、大葉さんはトカレフでこれから早撃ち対決をする。石川さんは呆れた様子でストップウォッチを持っている。
「じゃあ、私がスタートと言ったら銃を抜いてください」
まずは俺の番。「スタート」石川が口を開いたと同時に銃を抜く。狙いを定め、五発。まずい、一発外れた。慌てて照準を合わせ、なんとか撃ち終える。
「6秒13です」
だいぶいい方じゃないか。次は大葉さんの番だ。
「よーし、今日はいっぱい呑むぞぉ、今のうちにコンビニでお金おろしてきな?」
よほど自信があるそうだ。
「スタート」
彼女はすぐさま銃を抜くと一番右の端に照準を合わせ、引き金を引いた。すると、右の瓶の破片がドミノ倒しの要領で左側の瓶を倒していく。
「2秒44です」
あっさりと負けてしまった。
「どう?」
いや、どうと言われても。