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不可逆の残りカス
いつも昨日を俯瞰して憂う。
後悔と苦しみだけが脳の中に閉じ込められて、惨めな人間が出来上がる。
あの日の選択を毎日どうすべきだったかを考え、現在の選択肢さえも間違えた。
私に何が出来ようか。貴方に何をすべきであったか。
過去に縛られて未来にも縛られる。現在には漠然とした不安があった。
一歩進むことさえままならず、縮こまって泣いていた。
将来性も希望も無いような人間がどうしてここにいる?
人によってはこの世界が美しく見えるのだろう。だが、私には醜く見えた。
争いの絶えない同じ血の通った生物がどうして分かり合えないのか。
皆、どこかで他人を見下しているから?
ただの腹いせか、憂さ晴らし?
責任の押し付け合い?
否、最初から分かり合う気なんてないからだ。
意思を譲る気なんて無いから、頭数を減らすために殺す。
自分だけの世界を得るために。自由を得るために。
高度な自我が芽生えた生物が人間だけで良かったと思う。
全生物に自我が芽生え始めたら、私は殺し合うために生まれる羽目になったから。
過ちの先にはいつも後悔が待っている。
後悔とは進んだ先にあるのではなく、そのおまけだろう。
言うならば、不可逆の残りカス。