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	<title>いきなり超短編ストーリー</title>
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	<description>夕食が終わったら、こちらへおいでください</description>
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			<item>
		<title>No.0071「猫」</title>
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		<pubDate>Mon, 28 Dec 2009 00:18:28 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[雨が降ると、決まって側で猫が鳴く。
辛いことがあるときにも、猫の鳴き声が聞こえる。
悲しいことがあった日には、一日中、猫の寂しげな鳴き声が聞こえる。
その猫は、どこにいるのでもない。
どこを探しても、みつからない。
猫は [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>雨が降ると、決まって側で猫が鳴く。</p>
<p>辛いことがあるときにも、猫の鳴き声が聞こえる。</p>
<p>悲しいことがあった日には、一日中、猫の寂しげな鳴き声が聞こえる。</p>
<p>その猫は、どこにいるのでもない。</p>
<p>どこを探しても、みつからない。</p>
<p>猫は、私の心のなかで鳴いているのだから。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>No.0070「ひとつのフレーズ」</title>
		<link>http://www.tanpen.net/archives/496</link>
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		<pubDate>Mon, 28 Dec 2009 00:01:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[地理の授業で、世界地図を眺めていたら、なぜか涙が溢れ出して止まらなくなった。
 
こんな僕のすべてを受け容れている世界に感謝したくなった。
気がつけば、心が、いろいろなものに「ありがとう」と言いはじめている。
 
ところ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>地理の授業で、世界地図を眺めていたら、なぜか涙が溢れ出して止まらなくなった。</p>
<p> </p>
<p>こんな僕のすべてを受け容れている世界に感謝したくなった。</p>
<p>気がつけば、心が、いろいろなものに「ありがとう」と言いはじめている。</p>
<p> </p>
<p>ところが、次に数学の時間には、気持ちが萎えてきた。　</p>
<p>今、僕は、こんなことをしていてもいいのだろうか。</p>
<p>　</p>
<p>音楽の時間も体育の時間も、鬱々とした気持ちは変わらなかった。</p>
<p> </p>
<p>でも、国語の授業のとき、教科書に載っていたちょっとしたフレーズが妙に心に響いて、胸が温かくなってきた。</p>
<p> </p>
<p>これが本物だよね。</p>
<p> </p>
<p>どんなフレーズかって？</p>
<p>それは、あなたが良く知っていることでしょう。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>No.0069「白い道」</title>
		<link>http://www.tanpen.net/archives/246</link>
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		<pubDate>Tue, 03 Nov 2009 08:55:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.iruka.jp/?p=246</guid>
		<description><![CDATA[ 
気がつくと私は、白い道をバイクに乗って走っている。
柔らかな潮風。
海の匂い。
真っ白で角ばったギリシア風の建物が続き、薄緑色の海が広がる。
やがて細い道に行き着き、一段一段が長い石階段のようになる。
段の幅は少しず [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p> </p>
<p>気がつくと私は、白い道をバイクに乗って走っている。</p>
<p>柔らかな潮風。<br />
海の匂い。</p>
<p>真っ白で角ばったギリシア風の建物が続き、薄緑色の海が広がる。</p>
<p>やがて細い道に行き着き、一段一段が長い石階段のようになる。<br />
段の幅は少しずつ狭くなっていくが、かまわずバイクを走らせる。</p>
<p>しかし、とうとう階段のようになり、ついに私はバイクを降りて歩きはじめる。</p>
<p>上の方から、合唱団のような制服を身に着けた、男の子の集団が降りてくる。</p>
<p>ふざけもせず、おしゃべりもせず、ただ黙々と歩いてくる。</p>
<p>「恐ろしく、出来のいい子供たちだな」<br />
思わず、口に出してしまったようだ。</p>
<p>いつの間にか、若い女が側にいて、私に話しかける。<br />
「あの子たちはね、学校へ入るときに、親指を切り取られているの。<br />
卒業するときまで、返してくれないからおとなしくしているのよ」</p>
<p>なるほど、納得がいく。<br />
私は、自由について考えはじめる。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>No.0068「キメラ狩り」</title>
		<link>http://www.tanpen.net/archives/134</link>
		<comments>http://www.tanpen.net/archives/134#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 11 Jan 2007 04:37:17 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[　第一幕
　　○鏡のように澄んだ輝きを放つ湖のほとりにて。
　　牧人Ａ「見ろ、あの白く美しい馬を！　
　　　　　　なんと、大きな翼を持ち、神々しい気品に満ちているんだろう」
　　牧人Ｂ「あれが噂に聞くペガサスか。
　　　 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h3>　第一幕</h3>
<p>　　○鏡のように澄んだ輝きを放つ湖のほとりにて。</p>
<p>　　<strong>牧人Ａ</strong>「見ろ、あの白く美しい馬を！　<br />
　　　　　　なんと、大きな翼を持ち、神々しい気品に満ちているんだろう」</p>
<p>　　<strong>牧人Ｂ</strong>「あれが噂に聞くペガサスか。<br />
　　　　　　おっと、いくらキレイだからって近づくのは禁物だ。</p>
<p>　　　　　　あの馬は、メドゥーサの血から生まれたというだけあって気性が<br />
　　　　　　荒いし、大女神アテナしか乗せないというからな。<br />
　　　　　　噂をすれば何とやら、アテナ様のおでましだ……」</p>
<p>　　女神アテナ登場（その前には、ひとりの若者がひれ伏している）</p>
<p>　　<strong>アテナ</strong>「ベレロポンテースよ、お前に、この金の手綱を授けよう。</p>
<p>　　　　　　勇者と豪語するお前なら、きっとペガサスを乗りこなし、あの凶<br />
　　　　　　暴なキメラを退治することができようぞ。<br />
                  ホッホッホッホッ」</p>
<p>　　<strong>ベレロポンテース</strong>（心の内の声）<br />
　　　　　（やべえよ、キメラって頭が獅子で尻尾が蛇、胴体には山羊の頭が<br />
　　　　　　あって魔術を使えるって怪物だろ。</p>
<p>　　　　　　アテナの奴、俺が目立つもんだから、見せしめにするつもりだな。<br />
　　　　　　死ぬのはやだよぉ）</p>
<h3>　<em>第二幕</em></h3>
<p>　　○オリュンポスの神殿にて</p>
<p>　　<strong>アテナ</strong>「見事じゃ！　ベレロポンテース。<br />
　　　　　　まさか、あの凶悪なキメラを撃ち殺すとは。</p>
<p>　　　　　　褒美に、お前の故郷コリントスの王女を嫁に娶るがいい。<br />
　　　　　　そしてリュキア王とともに、魑魅魍魎、蛮族を制覇するがいい。　<br />
　　　　　　ホッホッホッホッ！」</p>
<p>　　<strong>ベレロポンテース</strong>「は、身に余る光栄、ありがとうございます」<br />
　　　　　（なんでだよ！　<br />
　　　　　　やっとの思いでキメラをやっつけたと思ったら、また戦場に行か<br />
　　　　　　なきゃらんのかい。俺はのんびりとしたいのに。死ぬのはやだよぉ）</p>
<h3>　第三幕</h3>
<p>　　○ペガサスを駆って天に昇っていくベレロポンテース。<br />
　　　（注：書割に雲を描き、天空の雰囲気を出すこと）</p>
<p>　　<strong>アテナ</strong>「ベレロポンテースよ、どこへ行く！　　　　<br />
　　　　　　天上は神の領域じゃ。</p>
<p>　　　　　　ペガサスから降りよ、すぐに下界へ戻れ！」</p>
<p>　　<strong>ベレロポンテース</strong><br />
　　　　　「やーなこった！　<br />
　　　　　　わがままな王女とひっつけられたあげく、いつも戦場に引っ張り<br />
　　　　　　だされて、これじゃ命がいくつあっても足りんわ。</p>
<p>　　　　　　こうなったら俺が神になってやる！<br />
　　　　　　このペガサスさえいれば、怖いもんなしさ」</p>
<p>　　○地上にて</p>
<p>　　<strong>牧人Ｂ</strong>「ほら見ろ、あの勇者さん、まっさかさまに落ちていくぜ。<br />
　　　　　　アテナがアブを放してペガサスを刺させたんだ。</p>
<p>　　　　　　大人しくしてりゃいいものを、言わんこっちゃない……」</p>
<p>　　<strong>牧人Ａ</strong>「キメラより強いペガサスが、何でちっぽけなアブにやられるんだ？<br />
　　　　　　そういえば、近頃は、キマイラって怪物が出ていると聞いたぜ。</p>
<p>　　　　　　今度の勇者は誰だろうな？」</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>No.0067「わたしは風」</title>
		<link>http://www.tanpen.net/archives/490</link>
		<comments>http://www.tanpen.net/archives/490#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 26 Dec 2006 06:54:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[ 
わたしは風。
　
いつの時代にも、どんなところでも、ただ旅をしていた風。
わたしは自由。
そして、あなたも自由。
若いあなたが、道端のブロック塀のすきまから顔をのぞかせている、咲いたばかりの小さな白い花を手折るのもか [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p> </p>
<p>わたしは風。<br />
　<br />
いつの時代にも、どんなところでも、ただ旅をしていた風。</p>
<p>わたしは自由。<br />
そして、あなたも自由。</p>
<p>若いあなたが、道端のブロック塀のすきまから顔をのぞかせている、咲いたばかりの小さな白い花を手折るのもかまわない。</p>
<p>たとえ、後で、その花を見るのを心待ちにしている、お年寄りが、肩を落とすことになるとしても。</p>
<p>少しの未来、その花は実をつけ、種を弾き、そのタネがわたしのふところに眠りながら、遠い高原まで運ばれることになっていたとしても。</p>
<p>高原で、タネは花を咲かせ、新たなタネを落とし続け、やがて、うつくしい花の国をつくることになっていたとしても。</p>
<p>いつしか、あなたも、伴侶を得てその地に移り住んでいるだろう。<br />
宝のような女の子を授かるだろう。</p>
<p>ある春の日、歩きはじめた女の子は、一面に咲き誇る白い花にみとれて立ちどまる。<br />
　<br />
そのおかげで、間一髪、疾走するトラックの難を避けることができるであろう。</p>
<p>若いあなたが、その白い花に気をひかれ、持って帰るのもあなたの自由。</p>
<p>わたしは、風。<br />
　<br />
いつのときか、どこであったか、あなたが花を折るのを見たような気がするし、ただ愛でるだけで立ち去ったような気もする。</p>
<p>別のとき、別の場所、あなたが、冷たくなった娘を抱いて、泣きじゃくっている姿を見たような気もするし、見なかったような気もする……</p>
<p>わたしは、風。<br />
ただ自由に旅をしているだけ。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>No.0066「愛について」</title>
		<link>http://www.tanpen.net/archives/132</link>
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		<pubDate>Wed, 20 Dec 2006 04:34:43 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[ 
私は、彼女に会いに行くために列車に乗っている。
　
新幹線を降りた後、すでにローカル線を３本乗り継いでいる。
　
早朝に出発して、現在は、もう夕刻だ。
　
私は、彼女の実家へ行き、両親に結婚の許しをもらうつもりだ。
 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p> </p>
<p>私は、彼女に会いに行くために列車に乗っている。<br />
　<br />
新幹線を降りた後、すでにローカル線を３本乗り継いでいる。<br />
　<br />
早朝に出発して、現在は、もう夕刻だ。<br />
　<br />
私は、彼女の実家へ行き、両親に結婚の許しをもらうつもりだ。<br />
しかし、それを告げると、彼女は薄く笑って、地図を描いて私に手渡した。<br />
「うちまで来れたら、結婚できると思うわ。待っているわね」<br />
その言葉だけを心の頼りにして、私は、乗り心地の悪い列車の座席に座っているのだ。<br />
　<br />
駅を降りると、もうあたりは黄昏ていた。<br />
　<br />
すぐにでも彼女の実家に向かいたいと思い、初老の駅員に地図を見せると、<br />
「こりゃ古い地図だなぁ。場所も遠いし、今日は、どこかの宿に泊まって、<br />
　明日朝から行くほうがいいだろう」と言う。</p>
<p>あたりは薄暗くなってきたことだし、私は、駅員の言うとおりにする。<br />
　<br />
しかし、地図が古いってどういうことだ。<br />
　<br />
これは彼女が、３日ほど前に描いて渡してくれたものなのに。<br />
とりあえず駅近くで、小ぢんまりした旅館をみつけた。<br />
小さな宿だけに、女将が仲居さんもかねているらしい。<br />
　<br />
「あら、どうしてすぐに彼女に会いに行かなかったの？<br />
　明日になったら、何もかも変わってしまっているかも知れないわよ」<br />
　<br />
地図を見せ、事情を話すと、女将はそんなことを言った。</p>
<p>そんなバカなはずはないと思いつつ、不安が湧き出ることを抑えきれない。<br />
　<br />
彼女と私は、もう何年も付き合っていて、深い愛情に結ばれているのだから大丈夫だと、自分に言い聞かせる。</p>
<p>しかし、次の日の朝、地図を見ながら道を進んでみたが、目印の建物や通り道がぜんぜん違っていて、結局はたどり着けず、昨日と同じ宿に泊まることになってしまった。<br />
　<br />
次の日は、道行く人をつかまえては、彼女の実家のことを尋ねてみた。<br />
　<br />
「ここなら、かんたんに行けるよ」<br />
　<br />
「迷子になるだけだから、やめといたほうがいいよ」<br />
　<br />
「考え直せ。ここはお前が行く所ではないぞ」<br />
　<br />
地図を見る人によって、返ってくる反応が違っていた。<br />
　<br />
それから一ヶ月、何度も道に迷い、暗い穴に落ちて苦しみ、彼女のことを思って枕を濡らす夜を過ごした。<br />
　<br />
私は、いまだ彼女に合えずにいる。<br />
　<br />
何かを変えなければ、いつまでも彼女の元にたどり着けないような気がする。<br />
　<br />
　<br />
なんとなくわかってきた。</p>
<p>「愛」とは、そういうものなのだ……</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>No.0065　「楽園はどこにある？」</title>
		<link>http://www.tanpen.net/archives/131</link>
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		<pubDate>Wed, 13 Dec 2006 03:56:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[ 
砂漠のまんなかに湧き出る、小さなオアシスを囲むようにしてできた集落。
　
生活に使う水どころか、飲料水も足りず、人々はいつも渇いていた。
　
誰もが他の土地に移り住みたいと思いながらも、この集落を離れられないでいる。 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p> </p>
<p>砂漠のまんなかに湧き出る、小さなオアシスを囲むようにしてできた集落。<br />
　<br />
生活に使う水どころか、飲料水も足りず、人々はいつも渇いていた。<br />
　<br />
誰もが他の土地に移り住みたいと思いながらも、この集落を離れられないでいる。<br />
　<br />
暑い暑い太陽の下。<br />
ひとりの男が、木陰で昼寝をしながら夢を見る。<br />
　<br />
男は、楽園にいる。<br />
　<br />
そこではいつも雨が降っている。<br />
　<br />
草木が深く生い茂るジャングル。<br />
人々は、ずぶ濡れになりながら行きかっている。<br />
　<br />
男は、上を向いて雨しぶきを顔に受け、喉を潤す。<br />
全身にこびりついた砂埃を、雨で洗い流す。<br />
　<br />
ずっと、ずっと、雨が降り続く。<br />
　<br />
男は、やっとの思いで自分の小屋にたどり着き、湿った草のベッドで横になる。<br />
　<br />
そして、砂漠の夢を見る。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>No.0064「ガラスの海」</title>
		<link>http://www.tanpen.net/archives/130</link>
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		<pubDate>Wed, 06 Dec 2006 04:00:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[ 
その星の表面は、柔かいガラスで覆われている。
　
透き通ったガラスは、日の光を受けるとキラキラと輝き、星の景色を幻想的なイメージに映しだす。
　
古文書には、大昔、人々は、ガラスのなかを泳ぎながら暮らしていたと記録さ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p> </p>
<p>その星の表面は、柔かいガラスで覆われている。<br />
　<br />
透き通ったガラスは、日の光を受けるとキラキラと輝き、星の景色を幻想的なイメージに映しだす。<br />
　<br />
古文書には、大昔、人々は、ガラスのなかを泳ぎながら暮らしていたと記録されている。<br />
言葉などなくても、柔らかいガラスを通して、「思い」が伝わっていたらしい。<br />
　<br />
文明が発達した現代では、人々は、気体を満たした建物のなかに住み、意思を伝えるのに言語を用いるようになった。<br />
　<br />
機械化された都市、安全で高機能なシステム。<br />
　<br />
移動は、ガラスの海のなかを走る汽車を使う。<br />
　<br />
けっして、泳いではならない。<br />
特に裸になってガラスを泳ぐと、いまだ漂っている古代人の意念に野生の本能を呼び覚まされ、正常ではいられなくなると言われている。</p>
<p>窓の外を見ながら、少年は声をあげた。<br />
「ねえ、パパ。<br />
　誰かが、裸で海を泳いでいくよ」<br />
　<br />
父親は、あわてて少年の側にかけよる。<br />
「あんなに高いところまで行ってしまって……<br />
　　<br />
　気の毒に、もう帰って来ることはできないな」<br />
　<br />
少年は、ガラスの海を泳いでいく裸の青年をずっと見上げている。<br />
「だけど、あの人、本当に楽しそうに泳いでいるね」</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>No.0063「寿命帽子」</title>
		<link>http://www.tanpen.net/archives/129</link>
		<comments>http://www.tanpen.net/archives/129#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 29 Nov 2006 06:37:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[ 
通りを歩く、たくさんの人の群れ。
　
彼らは、みな同じ帽子をかぶっている。
　
シルクハットのような形をしているのだが、奇妙なのは、その帽子のすべてにデジタル数字が表示されていること。
　
ある男の帽子には、「１３５ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p> </p>
<p>通りを歩く、たくさんの人の群れ。<br />
　<br />
彼らは、みな同じ帽子をかぶっている。<br />
　<br />
シルクハットのような形をしているのだが、奇妙なのは、その帽子のすべてにデジタル数字が表示されていること。<br />
　<br />
ある男の帽子には、「１３５８４６９５７」という数字があり、隣の老婆は、「９３６５７２」となっている。<br />
　<br />
老婆に手をひかれている男の子には、「２２０５８４９６８２」と大きな数字が表示されているが、すれ違った顔色の悪い男は「８６９５」とかなり桁の少ない数字。<br />
　<br />
そして、その数字は、時が進むにつれて１つずつ減ってゆく。<br />
　<br />
１秒ごとに1つずつ。<br />
　<br />
人々は、ときおりすれ違う者の帽子に出ている数字を見上げては、すぐに目を逸らす。<br />
　<br />
だが、極端に数字が少ない人が歩いていると、数多くの好奇の注目を集めることになる。<br />
注目の的になっている者は、その事実に気づくと、絶望的な表情を浮かべ、俯いて先を急ぐ……</p>
<p>「もういい！　こんなのダメだ！」</p>
<p>私がすべてを説明し終わらないうちに、目の前のデスクの社長は、大声をあげた。</p>
<p>「かぶった人の寿命がわかる帽子って、一体全体、どんな意味があるんだ。<br />
　だいたい、自分があと何秒生きられるか知りたい奴なんているのか。<br />
　　<br />
　自分の帽子の数字は、自分で見ることができないから、他の連中の反応を<br />
　知るために帽子を買う人が多くなるって、あんたは言うがな、鏡を見りゃ、<br />
　自分の数字などすぐわかることだろう。<br />
　<br />
　うちじゃ、商品化は無理だ。ほかを当たってくれ」</p>
<p>……この会社にも断られてしまった。</p>
<p>長い年月と費用をかけた、せっかくの私の発明は、とても世間に受け入れられるものではないようだ。</p>
<p>もう、資金も気力も尽きた。<br />
　<br />
エレベータに乗り込み、入り口の横にある鏡に映る私の帽子は、「５６」という数字を差していた。<br />
　<br />
私は、屋上へ行くスイッチを押した。</p>
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		<title>No.0062「壁の前」</title>
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		<pubDate>Sun, 12 Nov 2006 12:13:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>shin</dc:creator>
				<category><![CDATA[いきなり超短編ストーリー]]></category>

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		<description><![CDATA[ 
レンガ造りの建物の小さな覗き窓から、子供が外にある壁を見ている。
ひび割れて、ところどころが崩れかけている赤茶けた壁である。
　
子供の視界の横から、道化師の姿をした男が、とぼとぼと歩いてくる。
　
男は、壁の前で立 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p> </p>
<p>レンガ造りの建物の小さな覗き窓から、子供が外にある壁を見ている。</p>
<p>ひび割れて、ところどころが崩れかけている赤茶けた壁である。<br />
　<br />
子供の視界の横から、道化師の姿をした男が、とぼとぼと歩いてくる。<br />
　<br />
男は、壁の前で立ち止まると、ポケットからハンカチを取り出し、両手でひらひらと振ってみせる。<br />
　<br />
ハンカチのなかには、何もないということを見せている。<br />
　<br />
右手に持ったハンカチを左手の上にかぶせる。<br />
　<br />
そっとハンカチをめくると、左手には、一輪の小さくて白い花が見えてくる。<br />
男は、びっくりしたような表情をすると、花を胸ポケットに差し込む。<br />
　<br />
そして、気取ったポーズをとりながら、また、歩きはじめる。<br />
男は、どこかへ行ってしまう。<br />
　<br />
子供は、まだ壁を見ている。</p>
<p>……と思ったら、はじめから子供など存在していなかった。</p>
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